一方、現在代行を務める八角親方がそのまま理事長に就任できるかというと、それも不透明だ。むしろ理事として確実に再選できる保証すらないという。
「八角親方が所属する高砂一門は、現状、理事を1人出すのがやっとの票しか持っていない。そこに九重親方、さらに高砂親方(元大関・朝潮)まで立候補する動きが出ている。当然他の一門との連携も必要になってくるが、一門として誰を推すかも固まっていない」(スポーツ紙相撲担当記者)
さらに若手親方たちから絶大な信頼を集め、次期理事長の筆頭候補とされる貴乃花親方も安泰ではない。
「いずれ貴乃花親方を後継者にと考えていた北の湖さんが存命だったら、“飛び級”での貴乃花理事長の誕生もあり得ました。理事長の本当の病状を知っていたのか、前述のX氏が貴乃花擁立に向け、貴乃花一門からもう1人理事を出そうと動いていたとの情報があります。
しかし今となっては、反貴乃花といわれる高砂、二所ノ関、伊勢ヶ濱の各一門の動きが活発化しており、出羽海一門の援護も怪しくなってきた。決して追い風が吹いているわけではない」(前出のジャーナリスト)
※週刊ポスト2015年12月11日号