「原因が更年期とわかれば、ホルモン補充療法などで快方に向かいます。悩んでいる時間はもったいないので、病院で血液検査を受けるよう促しましょう」
また、「突然切れたように怒る」など、感情の起伏が激しくなるのも更年期の症状のひとつだが、「やたらと孤独を感じる」「やる気がおきない」など覇気がなくなり、不安感を訴える場合、放置するのは危険だ。
「男性ホルモンは脳に作用して感情を抑える働きがあり、減少すると不安感や絶望感が増して、うつ症状が出ることもあります。40才以上の男性の自殺率が高いのは、この、男性ホルモンの影響と無関係とはいえないでしょう。
それに、もともとテストステロン値の高い精力的な男性ほど、低下による変化を感じやすく、心の症状が出やすいと考えられています」
ただ、これらの症状はうつ病と酷似している。
「中高年のうつ病は、男性更年期と関連がある場合も多いのです。ホルモン補充療法で快方に向かうこともあるので、精神科を訪れる前に、血液検査の実施をおすすめします」
向精神薬の処方で改善されない場合も、男性更年期を疑った方がよい。
※女性セブン2015年12月17日号