任期満了まであと1年を切った参院選も野党の状況はお寒い。日本共産党の志位和夫・委員長が「国民連合政府」構想による野党の選挙協力を呼びかけ、一時は「32県ある参院1人区で野党統一候補が立てば自民苦戦は免れない」という見方もあったが、フタをあけてみると、1人区のうちすでに9選挙区で民主、共産の候補者が競合し、市民団体などがめざす「野党統一候補」はまだ1人もいない。
しかも、民主党は徳島・高知選挙区での公認が内定していた現職の広田一氏が辞退し、3人区の福岡でも公認内定していた県連代表で現職の大久保勉氏が出馬を断念しているのだ。
他の野党も日本維新の党は分裂、旧みんなの党は空中分解しており、野党の選挙準備は大幅に遅れている。では7月同日選で安倍自民党はどのくらいの獲得議席が予測されるのか。
「自民党は前回総選挙(2014年)が291議席、前々回(2012年)は294議席でした。その過去2回より野党の選挙態勢は遅れている。そのうえ衆参同日選になって集票マシンがフル稼動すれば、自民党単独で300議席超えは十分可能です」(有馬氏)
こうなれば、大阪府知事・大阪市長のW選挙で圧勝した(自民党との連携も見えている)おおさか維新が大阪中心に10数議席取れば、公明党抜きでも2党で衆院の3分の2が見えてくる。まさに勝利は自民党の目の前にぶら下がっている状況といえる。
※週刊ポスト2015年12月18日号