死んだ後にどんな墓にどう入るべきか──。そんな悩みを抱えている人も多いだろうが、俳優の田村正和(72)は、いち早く「生前墓」を購入していたという。
「田村さんが墓を買ったのは1980年代のことで、神奈川県横浜市の郊外にある総合霊園の一画を購入しています。
管理費を含めると1500万円くらいはする首都圏でも最高級クラスのもの。園内でも見晴らしのいい区画を買っていて、まだ誰も入っていないので石塔が建てられているだけですが、そこに朱色の文字で田村さんの名前が彫られています」(霊園関係者)
中国では、生前に墓を建てることを「寿陵」と呼び、長寿を授かる縁起のいい行ないとされてきた。日本でも一時期、密かなブームとなったことがあり、田村もその頃に知人の勧めで購入したという。
一方、田村の父である名優・阪東妻三郎は京都・嵯峨野にある寺院の墓地に眠っている。今でも往時の姿を知るファンが手を合わせに訪れる“観光名所”として知られているが、阪東もまた、死去の10年ほど前に、その墓を購入していたのだという。田村の所属事務所マネージャーはこういう。
「阪東妻三郎がなぜ生前にお墓を建てたのかはわかりませんが、その墓には長男(俳優・田村高廣、2006年没)しか入れません。田村は三男ですから、早めに自分のものを購入したのではないでしょうか。今でも(横浜の)お墓の様子を見に行ってはいるようです」
生前に墓を購入したのは名優の誉れ高い父に倣ってのことなのか。
※週刊ポスト2015年12月25日号