国際情報

中国共産党 政治的利用を警戒し『進撃の巨人』を規制対象に

日本アニメのコスプレは中国でも人気 共同通信社

 習近平政権は、中国でも大人気の「ジャパニメーション」の規制強化に乗り出した。中国出身の漫画家・孫向文氏は、「多くの日本アニメが“有害指定”され視聴が禁じられた背景には中国共産党の焦りがある」と分析する。

 * * *
 さる6月7日、中国政府は「有害な日本アニメをネット配信した」との理由で、中国国内の大手動画配信会社29社に罰金・警告などの行政処分を科したことを発表した。当局に「有害指定」されたのは、日本でも人気の高い『進撃の巨人』や『デスノート』などのアニメ38作品。当該作品は即日、配信停止となった。

 中国では1980年代以降、日本からさまざまなアニメ番組が輸入され、多くの子供たちに親しまれてきた。筆者も中国で『一休さん』や『ドラゴンボール』、『聖闘士聖矢』などを観て育ち、アニメや漫画を通じて日本に親しみを持つようになった世代である。

 胡錦濤政権時代の2005年以降は「中国製アニメの振興」を理由に海外作品のテレビ放映が一部規制されたものの、近年はネットでの視聴が主流となり、日本の最新アニメが公式配信されるようになった。しかし、ここにきて習近平政権は、日本のアニメを狙い撃ちするかのごとく規制強化に乗り出したのだ。

 これを主導しているのが中国文化部と、中国共産党中央宣伝部傘下の「広電総局」である。広電総局は、新聞や出版物、テレビ、映画、ラジオ、インターネットコンテンツなどの管理、検閲を一手に担う“メディアコントロール”機関だ。中国当局は日本アニメの規制について「残虐な暴力シーンや過激な性描写など、未成年者の犯罪を煽る内容が含まれる」としているが、理由はそれだけではない。

 規制対象となった『進撃の巨人』は若き主人公が残虐非道な巨人と対決し、人類の自由を手に入れるために奮闘するストーリー。実は中国共産党指導部はこの作品が政治的に利用されることを最も警戒しているのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン