国内

2015年のネット 日本発のコンテンツが世界を巻き込んだ年

「火災の生放送」動画は世界で報じられた(Youtubeより)

 今年も様々な出来事がネット上では発生した。毎年東京・阿佐ヶ谷のライブハウス、阿佐ヶ谷LOFT-Aでブロガー・投資家の山本一郎氏と「ネットニュースMVP祭」を2010年から行っているネットニュース編集者の中川淳一郎氏が気になったニュースは、「ネット生放送中に火事を起こした40歳男性」だという。以下、中川氏が語る。

 * * *
 今年は日本のネットユーザーが世界的に取り上げられる年でした。イスラム国が後藤健二さんと湯川遥菜さんを拘束していた頃は、「ISISクソコラグランプリ」でイスラム国を揶揄するバカコラ画像をハッシュタグ付きでツイッターに投稿し、イスラム国関係者を激怒させました。この件を海外メディアも「ジョークのセンスがある」的な好意的な文脈で報じました。まぁ、私はムダにテロリストをおちょくったり、彼らと接点を持つことはやめた方がいいと思っていますが。

 ほかにも、漫画家・はすみとしこさんが描いたイラストがシリア難民を揶揄しているとし、海外のメディアが「シリア難民に最悪の対応をした7人」に選ぶ例もありました。元々日本語のネットコンテンツは世界では話題になりにくいものでしたが、イラストや写真は世界の人々の心にも何か訴えるものがあったようです。

 そして、私が最も気になったのが動画の生中継をネットでしていた男性です。配信中に「オイルマッチ」という器具でタバコの火をつけようとしますが、なかなか火がつかない。「オイルマッチ」とは、金属製の容器の中にオイルが入っており、それを染み込ませた蓋兼マッチ棒のようなものを容器にすりつけることによって火をおこす器具のことです。

 お前、ライター使った方がいいんじゃねぇの? という気持ちに視聴者がなる中、3分以上もこの男性はオイルマッチで火をつけようと試みます。途中、オイルが容器の外側につくなどするため、ティッシュペーパーで容器を拭き、そのティッシュを脇にあったゴミ袋に捨てます。

 苦節数分、ようやく火がついたと思ったら余計なところに引火。男性は慌ててマッチ棒をゴミ袋の中に捨て、消火を試みますが、ゴミ袋の中にはオイルを吸ったティッシュが入っていた……。

 引火した場所は無事消火できたのですが、今度はゴミ袋が燃えてしまったのですね。ここで消火器でも持ってくるのかと思ったら、木製のクローゼットの近くにゴミ袋を移動し、段ボール箱で火を叩き始める。

 ちょっとちょっと、それって薪をくべているようなものでしょ? さっさと消火器か水を用意してくださいよ! オイルマッチでも視聴者をやきもきさせ、消火でも視聴者をやきもきさせる男性、最初にやったのは洗面器一杯の水をかけることでした。

 結局、配信機器がぶっ壊れて映像は途中で終わったのですが、翌日の地元紙には、火事があり、2階部分が焼けたこと、男性の父親の名前や家族構成、男性自身の年齢まで明らかにされ、散々な目に遭ったのでした。

 この模様は米テレビ局CBSのThe Late Showでもオンエアされ、司会者と出演者から大笑いされたうえに、司会者が頭を抱える結果となりました。米三大ネットワークまで日本の動画中継は巻き込んでしまったのです。

 今年もネットで色々ありましたが、来年も皆さま、楽しいネット生活をお送りくださいませ。良いお年を!

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