──15万人にへんずり(関西弁でオナニーの意)を報告するのはどうかと思うようになった、と(笑)。
百田:ハハハハ! 前は平気で書いてましたよね。
──出版社の人も百田さんがツイッターをやるのに反対していたみたいですね。
百田:政治的な発言をすると、右寄りの発言であろうが左寄りの発言であろうが必ず半分のファンを失うんで、やればやるほど損なんです。で、「百田さん、もう本が売れなくなるようなことはしないで!」ってみんな言うんですけど。
──なんで宣伝のために始めたはずなのに、部数を減らすようなことしてるんだって話じゃないですか!
百田:ハハハハハ! ホント、アホですね(笑)。自分でもわかってるんですけど、性分なんですよ。作家としてデビューしたのが50歳なんで、まあ書けて数年か、と。作家で10年トップを走れる人はなかなかいないから。1000倍の倍率をくぐり抜けて賞を取った作家でも、3~4年でほとんど消えるんですね。私なんかも当然、どうせ消える作家と思ってたんで、あんまり気にしなかったんです。
──最初からその前提なのが大きいんでしょうね。
百田:そうですね。私は昔から「おい百田、お前ひと言多いんや」っていつも言われてきたくらい、とにかくいらんこと言うんですよ。ここで言うたら絶対怒らせるなと思っても我慢でけへん。で、「アチャー、また言うてしもた」となる。そうやってしょっちゅう痛い目にあってきたんですけど、しゃあないんです。これは私の性分なんで、50歳になってからじゃ治らないんで。
──昔からひどかった。
百田:そう、私のツイッターも、有名になる前のほうがひどいんですよ(笑)。
──放送作家時代も?
百田:口は災いのもとで、思い出すと恥ずかしいことばっかりですが、まだ20代の若造が会議で40ぐらいのプロデューサーとかディレクターに「それ全然おもろないわ」「まったくダメ!」とか平気で言うんですよ。だから若い頃は片っ端からクビになってました。
※週刊ポスト2016年1月15・22日号