ビジネス

安くて値崩れ幅が少ない「リフォーム済み中古物件」の人気上昇

 リフォームといえば、長寿番組『大改造!! 劇的ビフォーアフター』(朝日放送)が連想される。この番組をリフォーム専門紙である『リフォーム産業新聞』の金子裕介編集長(34才)はどう見るのだろうか。

「あれはリフォームというより、リノベーション(既存の建物に大規模な工事を行うこと。刷新)。確かにビフォーアフターは画期的ですが、それに勝るとも劣らない大きな変化が業界の中で起こっています」(金子さん、以下「」内同)

『リフォーム産業新聞』は、1987年創刊、毎週火曜日(月4回)発行される専門紙。その発行部数は4万部ほどだ。ともかく、新築戸数の減少が止まらない。バブル期の1989年には、年間167万戸あった新築が、ここ数年間は90万戸まで落ちている。

「人口も世帯数も、今後、増加する見込みがありません。新築業界はこれから厳しくなるでしょうね」

 新築より今住んでいる家に手を入れたほうがいい──と判断する人が増え、リフォーム業界が盛り上がってきている。新規の業者も参入して大きな市場になる、と野村総研は予測している。

 そして、ここ数年で増えたのが、リフォーム業と不動産業が合体したような、“リフォーム済み中古住宅”の販売だ。

「今、地方では空き家が大きな社会問題になっていますが、それを買い取ってリフォームし、安く提供する会社が業績を伸ばしています。たとえば、とある田舎町で土地建物込みで1998万円でリフォーム販売している物件があります(敷地面積 83坪、建築面積36坪、築31年)。できるだけ安い価格で、どれだけデザイン性の高いリフォームができるか。業者の腕の見せどころなんですよ」

 この会社は1年間で3100軒を売り上げたそうで、当初は、年収が低い若い夫婦を想定して販売したが、意外にも、長期ローンが組めないながらも終の棲家を求めている50代、60代の中高年夫婦の需要が多かったという。金子さんは、中古住宅を買うメリットは3つあると言う。

「1つは新築より値段が安く手に入ること。2つめは、立地が選びやすいこと。都心の駅近くに一戸建てが欲しい場合、新築となると難しいですが、中古物件なら可能です。そして、3つめは資産価値が落ちにくいこと。家は20年もたつと、上物の価値はほぼゼロで、土地だけの価値になる。ということは、築20年で買ったら、値崩れ幅が少ないというわけです」

 こうしてすでにリフォーム済みの中古物件を買ったり、中古物件を買って自分のライフスタイルに合わせてリフォームをする人が、ここ数年、増えていると言うのだ。

※女性セブン2016年1月21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン