長期的な「隆起・沈降」のデータを見ると、三宅島以北が隆起傾向にあるのに対し、青ヶ島以南は沈降傾向を示している。
「三宅島と青ヶ島の高低差は2015年年初の4.8cmから、同年末には7.8cmまで拡大している。隆起と沈降の境目には大きな歪みが溜まっており、今もエネルギーが蓄えられていると考えられます」(村井氏)
「水平方向の動き」では、千葉の房総半島南部、神奈川の三浦半島、静岡の伊豆半島南部が周辺地域と違った動きをしている。
「特に三宅島では複雑な動きが見られるため、伊豆諸島を震源とする地震の発生を危惧しています」(村井氏)
伊豆諸島以外にも気になる動きがある。村井氏は2015年4月、神奈川県小田原市と神奈川県足柄上郡大井町の2か所に自前の電子基準点を設置し、リアルタイムでデータを収集している。その分析をもとに12月9日、週1回発行しているメルマガで初めて「緊急情報」を配信した。ちなみに大井町は関東大震災(1923年)の震源地である。
「瞬間的ですが、大井町の基準点が地震の前兆と思われる大きな異常変動を示したのです。設置間もないうえ、実験段階なので軽々に判断はできませんが、関東大震災同様、首都圏に壊滅的な被害を及ぼす可能性があるため、警告を発しました。しばらくは注意が必要です」(村井氏)
その他、村井氏は「北陸・北信越警戒ゾーン」、「北海道中央部警戒ゾーン」、「奥羽山脈警戒ゾーン」、「南海・東南海警戒ゾーン」、「九州南部警戒ゾーン」を“最警戒”と位置付けている。
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※週刊ポスト2016年1月15・22日号