ライフ

「緊張・不安」や「怒り・敵意」 かつおだし摂取で低下か

ほっとする「だし」でストレス解消(jazzman / PIXTA)

 和食に欠かせない「だし」。みなさんはちゃんとひいてますか? 研究によると、味だけでなくストレス改善にも効果があるようだ。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。

 * * *
 正月の雑煮のように「年末年始だけは、ちゃんとだしをひく」という人は多い。実際、旭化成ホームスの「くらしノベーション研究所」の調査では、「鰹節や煮干し等からだしを取って味噌汁を作る」という設問に対して、「よくある」が14.7%、「時々ある」が18.5%。

 つまりふだんから一定の頻度できちんとだしをひく人は、全体の3分の1程度存在する。いっぽう、「全くない」は29.5%。つまり全体の70%以上が、「たまにであっても、だしをきちんとひくことがある」という層である。

 そう考えると「日本人の7割が、雑煮のだしはきちんとひく」! ……と言い切るのはいかにも乱暴ではある。だが、雑感としては「きちんとだしを取った雑煮」を口にしている人は、正月に限定すればそれくらいはいるだろう。

 近年、だしがヒトの心身に与える効果についての研究が進んでいる。とりわけ日本人にとって身近なかつおだしは、その成分から「疲労感軽減」「抗疲労効果」などが期待されている。なかでも、味の素が大学等の機関と共同で行った、「だしが気分・感情に及ぼす影響」の調査結果が興味深い。

 福岡大学と行った研究では2群に分けたグループにプラセボ(偽薬)とかつおだしを摂取し続けてもらい、気分や感情にどう影響をおよぼすかを調査した。プラセボも偽薬とはいえ、本物のだしと同じ産地のかつおぶしを原料とし、香気成分を液化炭酸ガスで抽出したものがベースとなっている。

 3週間に渡る実験で、A群は当初の1週間はかつおだし、翌週は休みで、3週めにプラセボ。B郡は逆順での摂取とし、摂取前と摂取後の気分・感情をそれぞれ調査する形だ。

関連記事

トピックス

グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン