ビジネス

【日本株週間見通し】下値を拾う展開期待 需給の見極めを

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の1月12日~1月15日の動きを振り返りつつ、1月18日~1月22日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は下落。大発会からの連続安記録は6営業日連続でストップしたが、14日には一時節目の17000円を割り込む場面をみせるなど、中国の景気不安に原油価格の下落基調が嫌気されており、リスク資産を圧縮する流れが続いている。日経平均の17000円割れや原油先物価格の30ドル割れ、中国上海指数の3000割れといった流れのなか、いったんは自律反発を意識させるタイミングにもあったが、積極的な買いは続かず、戻り売りに押される格好。

 中国国務院による金融担当部門の格上げに向けた作業部会の設置や、日銀と中国人民銀行による通貨スワップ協定の締結に向けた交渉など、中国の金融安定化に向けた動きもみられている。しかし、中国の12月貿易統計が予想ほど悪化しなかったが、香港からの輸入を「水増し」する手法を使って中国本土からマネーを動かす動きが広がっているとの見方もされている。人民元の切り下げを受けて、輸入の偽装が本格化しているとの見方から資本流出への懸念が広がり、上海の上昇を素直に好感しづらいところもあった。

 その他、原油安を背景にオイルマネーとみられるファンドの売りが続いているほか、年金等の長期資金による売りなども出てきているとの市場関係者の話も聞かれる。日経平均は年初からの下落ペースが速いが、アベノミクス期待によって、2012年の8500円処から上昇が続いていることで利益が出ている状態である。外部環境の不透明感が長期化する中で、売り対象になりやすい。中東情勢の緊張も不安視されているが、ジャカルタでの連続テロにより、アジアでの地政学リスクへの警戒が高まりやすく、これが資産圧縮にも向かわせやすくなりそうだ。

 また、決算シーズンに入ってきているが、足下の円高や中国をはじめとする新興国の景気減速懸念により、業績下方修正などへの警戒も強まっている。そのため、決算内容がネガティブ視される局面では、改めて売り込まれる状況になりやすく、決算を見極めるまでは積極的な売買は手控えられよう。

 なお、決算ピークとなる1月下旬には日銀の金融政策決定会合が予定されている。タイミングとしては、この辺りでの目先底が意識されてくることが考えられる。そうなると、今週辺りは冷静に下値を拾う週になる展開が期待されるが、テクニカル面は有効に機能しないだろう。外部環境と需給状況による変動を見極めることになりそうだ。

関連キーワード

トピックス

直面する新たな課題に宮内庁はどう対応するのか(写真/共同通信社)
《応募条件に「愛子さまが好きな方」》秋篠宮一家を批判する「皇室動画編集バイト」が求人サイトに多数掲載 直面する新しい課題に、宮内庁に求められる早急な対応
週刊ポスト
ポストシーズンに臨んでいる大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ポストシーズンで自宅の“警戒レベル”が上昇中 有名選手の留守宅が狙われる強盗事件が続出 遠征時には警備員を増員、パトカーが出動するなど地元警察と連携 
女性セブン
「週刊文春」の報道により小泉進次郎(時事通信フォト)
《小泉進次郎にステマ疑惑、勝手に離党騒動…》「出馬を取りやめたほうがいい」永田町から噴出する“進次郎おろし”と、小泉陣営の“ズレた問題意識”「そもそも緩い党員制度に問題ある」
NEWSポストセブン
懲役5年が言い渡されたハッシー
《人気棋士ハッシーに懲役5年判決》何度も「殺してやる」と呟き…元妻が証言した“クワで襲われた一部始終”「今も殺される夢を見る」
NEWSポストセブン
江夏豊氏(左)、田淵幸一氏の「黄金バッテリー」対談
【江夏豊×田淵幸一「黄金バッテリー」対談】独走Vの藤川阪神について語り合う「1985年の日本一との違い」「短期決戦の戦い方」
週刊ポスト
浅香光代さんの稽古場に異変が…
《浅香光代さんの浅草豪邸から内縁夫(91)が姿を消して…》“ミッチー・サッチー騒動”発端となった稽古場が「オフィスルーム」に様変わりしていた
NEWSポストセブン
群馬県前橋市の小川晶市長(42)が部下とラブホテルに訪れていることがわかった(左/共同通信)
【前橋市長のモテすぎ素顔】「ドデカいタケノコもって笑顔ふりまく市長なんて他にいない」「彼女を誰が車で送るかで小競り合い」高齢者まで“メロメロ”にする小川市長の“魅力伝説”
NEWSポストセブン
関係者が語る真美子さんの「意外なドラテク」(getty image/共同通信)
《ポルシェを慣れた手つきで…》真美子さんが大谷翔平を隣に乗せて帰宅、「奥さんが運転というのは珍しい」関係者が語った“意外なドライビングテクニック”
NEWSポストセブン
部下の既婚男性と複数回にわたってラブホテルを訪れていた小川晶市長(写真/共同通信社)
《部下とラブホ通い》前橋市・小川晶市長、県議時代は“前橋の長澤まさみ”と呼ばれ人気 結婚にはまったく興味がなくても「親密なパートナーは常にいる」という素顔 
女性セブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人の時効が消滅》「死ぬ間際まで與一を心配していました」重要指名手配犯・八田與一容疑者の“最大の味方”が逝去 祖母があらためて訴えた“事件の酌量”
NEWSポストセブン
男性部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長
「青空ジップラインからのラブホ」「ラブホからの灯籠流し」前橋・42歳女性市長、公務のスキマにラブホ利用の“過密スケジュール”
NEWSポストセブン
「ゼロ日」で59歳の男性と再婚したという坂口
《お相手は59歳会社員》坂口杏里、再婚は「ゼロ日」で…「ガルバの客として来てくれた」「専業主婦になりました」本人が語った「子供が欲しい」の真意
NEWSポストセブン