――印象的だったランチは?

大沼:最近だと、大手自動車メーカーの工場の社員食堂が印象的でしたね。何でも“毎週金曜日はカレーうどんが出る日!”だそうで、伺ったところ、「カレーうどんを食べると汁が跳ねるでしょ? でも金曜なら作業着が汚れても、翌日が休みで洗濯できるから」と聞いて、なるほど、と。

 取材相手は、車を組み立てている人ではなく、施設管理のかたです。自動車を組み立てるために必要な電気など工場のインフラを管理する仕事だったのですが、彼らがいるからこそ工場全体が回っているワケで、そういう会社を陰で支える仕事って他にもたくさんあるんだろうなって思いました。

小林:ぼくは飲料メーカーの水質調査を取材した回です(1月18日放送予定)。普段はデスクワークをしているけれど、月1回水源地の山に登って水質調査を行うときのサラメシを取材したのですが、湧き水ポイントにたどり着くまで1日がかりで、毎回、道なき道をひたすら登っていくのですが、ぼくは足ががくがくに。でも、彼らがいるからおいしい水を飲むことができるんだとわかりました。

 実は、会社の中でも彼らの仕事を知らない人もいるみたいで、大手企業ならではの奥深さというか広さを感じました。山道を歩いて一息ついて、持ってきたおやきやおこわをほおばる姿がとってもおいしそうで…。

――(ここで料理がテーブルに)じゃあ、ここからは食べながらどうぞ。

大沼: 番組のテーマは、「ランチをのぞけば、人生が見えてくる」なのですが、まさしくそう。働く人たちの数だけランチはあって、今年5年目になりますが、今までどれひとつをとっても同じものがないんです。

――そうなんですか、それはすごい。

小林:取材に行くと「うちは普通ですよ、何も変わったことはないです」と言われますが、その人たちにとっては日常でも、ぼくたちには驚きの連続で(と、言葉に力がこもる)。

大沼:お弁当でもチカラ仕事をしていて、大食いしそうな男性が、小さなお弁当を食べていて、「新婚で、健康管理されているから、本当はもっと食べたいんですけどね」と、照れながら話してくれたこともあるんですが、“あ~、愛妻家なんだな”って。

小林:(大きくうなずきながら)だから、カップ麺でもおにぎりでも、その人にとって何かしら物語があるとわかると、不思議とおいしそうに見えるんです。

※女性セブン2016年1月28日号

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