コアラ:テレビ番組の制作の仕事をするようになって気づいたことなんですけど、番組の顔として出るのはタレントさんなので、番組がつまらないという批判はタレントさんが視聴者から受けるじゃないですか。「制作のディレクターがこういう編集したから、この番組は面白くなかった」とは言われない。そういう意味でタレントさんが一番大変だなと。
でも現場が終わってからも仕事をするのが制作です。5分10分の番組であっても、そこにSE(効果音)を入れたり編集したり、いろんなスタッフが関わってくるわけじゃないですか。そういう意味で、拘束時間を考えると、なんて大変な仕事だろうとも思います。
――裏方を経験してみて、またタレント活動に戻りたいと思ったりも?
コアラ:思いません。ぼくはタレントには向いてない部類に入ると思います。いつどうなるかわからない芸能界で、たった1分、ワンコーナーのトークに命を懸けているタレントさんや芸人さんがいる。そんな中でぼくが、勝てるわけがないじゃないですか。
半年に1回くらいはテレビの出演オファーもありますけど、自分のいろんなものを切り捨てて笑いにしなきゃいけないこともありますよね。ぼくはしんどくて、できないですね。
【コアラ】
1969年2月7日生まれ。大阪府出身。1991年、大学の同期生のおさるとお笑いコンビ『アニマル梯団』を結成。『ボキャブラ天国』(フジテレビ系)などで人気を博す。1999年に三原じゅん子と結婚(のちに離婚)、翌年コンビ解散。ピンで活動を始める。その後、飲食店経営などを経て、2012年『Coalaプロモーション株式会社』代表取締役に就任。
撮影■田中麻以