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ニカラグアで12年の獄中生活を送った日本人の告白(2/4)

 同じ場所で撮影を終えたあと、服部氏はM氏の姿が見えないことに気付いたという。

「M氏の名前を呼びながら周囲を歩き回りましたが、M氏の姿は見えません。しばらく待った後、ひょっとすると、M氏は先に下りたのかもしれないと思い、道を下って、丘の麓(小道の入り口)まで来ましたが、そこにもM氏はいませんでした」

 不安を覚えた服部氏は、M氏が車を停めたロブスター加工場に向かった。まだ建設中の建物には、M氏に紹介されたニカラグア人の管理人がいる。

「2日前に、M氏から紹介されたのですが、ニカラグアの公用語はスペイン語であるため、私は笑顔で握手をしただけでした。だから、加工場に行って、管理人に会っても、まったく言葉が通じないのです。『テレフォン』、『ポリス』などの単語を羅列しましたが、管理人は『お前の言葉は分からない』といったジェスチャーを繰り返すばかりでした」

 駐車場にはM氏の車が停めてあったが、鍵はM氏が持っていたため(管理人は車を持っていない地元のニカラグア人)、服部氏には為す術がなかったという。

「そうこうしているうちに陽が落ちたので、私と管理人はロブスター加工場の水の入っていない大きな水槽の中で横になりました」

 すると夜中の2時頃、血相を変えたニカラグア人が工場のドアを叩き、服部氏の眠りは破られた。早口のスペイン語でまくしたてるニカラグア人に連れられ、真っ暗な海岸へ向かうと、波打ち際に、M氏の遺体があった──。(6日7時配信の3/4に続く)

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