爆笑問題の本が芸人を目指すきっかけだったという
たかまつ:中学2年の時に、中沢新一さんと爆笑問題さんが憲法9条について対談をしている本(『憲法九条を世界遺産に』)を読んだことがきっかけです。それまでテレビを見ていなかったので、爆笑問題さんのことは知らなかったんですが、その本を読んで「このユニークな提案をされる方は、どなたなんだろう」と思って巻末を見たら、プロフィールに芸人とあって。「ああ、芸人だからユニークな発想ができるのか」と感銘を受けて、「芸人は素晴らしいご職業だな」と憧れるようになりました。
──でも、それまでお笑いの知識はなかったんですよね。
たかまつ:はい。お笑いというと落語と狂言しか知らなかったです。
──芸人になると決めたときに、最初から“お嬢様キャラ”でいこうと思っていたんですか?
たかまつ:いや、そんなことはないですね。そもそも自分がお嬢様だということにも気づいてなかったので。たとえば、親戚みんな慶應出身なんですけど、集まると政治経済の話をするんですよ。小中高とそういう光景を目の当たりにしていて、知らない国の名前なんかが出てくると「私が初めて聞く国名だ…」ってコンプレックスに感じるようになって。そういうのが当たり前の世界で生きてきて、なおかつ自分は親戚たちに比べて勉強ができないほうだというコンプレックスを抱いていたので、自分が特別だという感覚もなければ、“お嬢様”だという感覚もまったくありませんでした。
──周りも特殊だったから、自分がそうだということに気づかなかった、みたいな。
たかまつ:そうですね。あと、芸人さんという世界も特殊で、「すごく貧乏」っていう印象があったんですよ。だから、私が“お嬢様”なのではなくて、貧乏すぎるところにいるだけなんだ、って思っていた部分もありますね。ただ、ただフェリスで中高を過ごしたので、6年間毎朝礼拝に行ってたんですよ。なので、「みなさん、礼拝には行かないんですか?」っていう感覚はありましたね(笑い)。
【たかまつなな】
1993年、神奈川県生まれ。フェリス女学院から慶応大学へ進学。現在、慶大4年生で、東京大学大学院情報学環教育部にも席を置く。2013年、『ワラチャン!U-20お笑い日本一決定戦』(日本テレビ系)優勝。「ご機嫌うるわシューベルト!」など、お嬢様言葉風に漫談を行う。2月20日に新宿ネイキッドロフト(東京)にて、下村健一氏(元TBS報道局アナ/元内閣審議官)らをゲストに招いたライブ「あと5ヶ月…どーする?!18才選挙権」を開催。
撮影■菅井淳子