高橋:銀行の収益が下がると、日本の景気が悪くなるなんて嘘で、金融機関の“天動説”に騙されているだけ。本来、金融機関は経済の付属品なわけだから、経済が良くなれば、貸し出しもよくなり銀行も良くなるということのはず。銀行が中心じゃないのに、彼らだけが天動説に立っている。
長谷川:アメリカで「ウォールストリート」って言うでしょう、あれは“傍流”というニュアンスで使われることが多い(ウォール=壁)。その対義語が、「メインストリーム」。アメリカのメインストリームはGEやGMなどの製造業。それに対して、「俺たちはサービス業をやっているから傍流だ」という意味でウォールストリートと言っている。
それがアメリカの常識です。ところが日本では、たとえば財閥系企業でも、本来のリーダーは重工や自動車、電機などの製造業であるべきなのに、威張っているのは商社や銀行といった手数料で稼ぐ会社です。
※週刊ポスト2016年2月19日号