ビジネス

マイナス金利反対派は「銀行や証券会社の紐付き多い」の指摘

 各界が衝撃を受けた日本銀行の「マイナス金利」を早くから予想していた高橋洋一氏(元内閣参事官)と長谷川幸洋氏(東京新聞論説副主幹)の2人が緊急対談。この政策の真意を読み解いた。

高橋:私は日銀がマイナス金利導入を発表した前の日に、出演したネット番組でプロとして予言していたんです。そうしたら私の発言をあちこちに発信して儲けたヤツもいた(笑い)。

 普通の人は国債の買いオペ増額だと考えていたはずですが、国債を買うためには、国債がなくてはならない。ところが2016年度の財務省の国債発行計画を見ると、市中から買い上げられる国債はほぼない。だからこういう場合にはオペの増額をしないで、日銀の当座預金の金利を下げるということになる。

長谷川:この当座預金というのは250兆円あって、それに利息が0.1%ついている。つまり銀行は日銀の当座預金に預けているだけで0.1%も利息がついているわけです。

高橋:正確に数字を言えば、日銀が銀行に2100億円(250兆円のうち210兆円に0.1%分)を“お小遣い”としてあげていて、その分、日銀の収入が減って、国への日銀納付金が減っているということでしょう。企業経営者にこの話をすると、だいたい怒ります。

長谷川:マイナス金利の話にマスコミはびっくり仰天だったけど、そのアイデアがあることは昔から皆、分かっていました。金融関係者がネガティブ・キャンペーンをやっていたからリスク論が広がっていただけで。エコノミストたちが「マイナス金利は金融機関の収益が落ちるリスクがある」と言っているけど、彼らはだいたい、銀行や証券会社の紐付きだから(笑い)。

高橋:金融機関との関係がもっと色濃く出ているのは、日銀の政策決定会合。マイナス金利の賛否は5人対4人だった。黒田総裁をはじめ、賛成した5人は金融以外の出身で、みな安倍(首相)さんが指名した人。残りの4人のうち3人は金融機関出身で、おまけにみな前の政権で任命した人です。

長谷川:そうそう。完全に利益誘導なんだよ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン