高橋:でも、黒田(東彦・日銀総裁)さんもまだ甘いですね。マイナス金利は当座預金のうち新規分についてだけで、これまでの250兆円の残高のほとんどには依然として0.1%が付く。

長谷川:本来なら、いまある残高の0.1%をなくすべきです。

高橋:次にやるでしょう、近いうちに。

長谷川:5月に1~3月のGDP速報が出るし、7月には参院選。4月27・28日に金融政策決定会合があるから、そのあたりでやる可能性があります。

高橋:次のほうが銀行はキャンキャンいうでしょう。

長谷川:もう一つ私が注目しているのは、マイナス金利と一緒に発表された展望リポートで、消費者物価上昇率2%の達成目標を来年9月まで先送りしたこと。これは昨年4月、10月に続いて3回目です。

 つまり、日銀は自らが設定した目標を達成できていないと言っているわけです。そうなると、ますます消費増税ができない。日銀がデフレ脱却の時期を2017年9月に先送りしたのに、2017年4月の増税なんてできるわけない。そういうメッセージだと読んでいます。
 
 高橋:消費増税は延期せざるを得ないだろうけど、でも黒田さんは、デフレ脱却に消費増税の影響なんて絶対言えない。というのも、黒田さんは安倍(首相)さんに、消費増税は影響がないと自分で言っちゃったからです。だからそれは、間違っていたことを“分かってください”という意味なんですね。
 
 長谷川:消費増税が延期となると、それを争点にした衆参ダブル選の可能性がますます高まってくることも付け加えておきましょう。

※週刊ポスト2016年2月19日号

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