国際情報

北朝鮮ミサイル発射TV報道 日朝合作「極東の緊張」演出的

 2月7日、北朝鮮が事実上の長距離弾道ミサイルを発射した。テレビは臨時ニュースをはじめ、大々的に特集を組んで派手に取り上げたが、その内容はまるで数年前の焼き直しのようだった。

 沖縄に迎撃ミサイルPAC3が配備され緊張する地元住民たち、発射に抗議する首相の声明、そして「怖い、心配」という街頭の声。まるで前回(2012年)の発射のデジャブである。そもそも今回のミサイル発射は、大騒ぎするほどの危機だったのだろうか。元航空自衛官で評論家の潮匡人氏が語る。

「今回のミサイル発射は、3年前と比べてスピード、推進力が伸びた以外は、ほぼ前回と同じといっていいでしょう。しかもこの変化は、日本にとっての脅威が高まったわけではありません。長距離弾道ミサイルはあくまでアメリカにとっての脅威なのです。だから、アメリカが騒ぐのなら分かりますが、日本が大騒ぎするような状況ではありません。報道を見ても、発射されたことだけでオタオタし、騒いだだけ」

 大騒ぎする日本に対して、アメリカは冷静な分析記事はあったものの、全体の報道のトーンは落ち着いたものだった。いったいこの差は何なのか。もっとも、日本が北朝鮮と距離的に近いのは事実。破片の落下や事故などに備える必要はあったはずだ。

「空中爆発により、その破片が日本の領土、例えば先島諸島あたりに落下することはあり得るでしょう。しかし、PAC3は弾道ミサイルを迎撃するためには有効ですが、空中爆発の破片対応には有効ではない。その意味では、今回の北朝鮮の発射に対してPAC3の配備は本来、不要なのです。

 ちなみに、韓国も人工衛星の発射などをしており、その場合も空中爆発する可能性はありますが、日本はPAC3の配備などしていないでしょう。それと北朝鮮のミサイル発射は、実態として同じなのです。そのことを考えれば、今回の対応やマスコミ報道がいかにピント外れかが、よく分かるのではないでしょうか」(同前)

関連記事

トピックス

元皇族の眞子さんが極秘出産していたことが報じられた
《極秘出産の眞子さんと“義母”》小室圭さんの母親・佳代さんには“直接おめでたの連絡” 干渉しない嫁姑関係に関係者は「一番楽なタイプの姑と言えるかも」
NEWSポストセブン
岐阜県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年5月20日、撮影/JMPA)
《ご姉妹の“絆”》佳子さまがお召しになった「姉・眞子さんのセットアップ」、シックかつガーリーな装い
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《極秘出産が判明》小室眞子さんが夫・圭さんと“イタリア製チャイルドシート付ベビーカー”で思い描く「家族3人の新しい暮らし」
NEWSポストセブン
ホームランを放ち、観客席の一角に笑みを見せた大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平“母の顔にボカシ”騒動 第一子誕生で新たな局面…「真美子さんの教育方針を尊重して“口出し”はしない」絶妙な嫁姑関係
女性セブン
川崎春花
女子ゴルフ“トリプルボギー不倫”で協会が男性キャディにだけ「厳罰」 別の男女トラブル発覚時に“前例”となることが避けられる内容の処分に
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日の親子スリーショット》小室眞子さん出産で圭さんが見せた“パパモード”と、“大容量マザーズバッグ”「夫婦で代わりばんこにベビーカーを押していた」
NEWSポストセブン
六代目体制は20年を迎え、七代目への関心も高まる。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
《司忍組長の「山口組200年構想」》竹内新若頭による「急速な組織の若返り」と神戸山口組では「自宅差し押さえ」の“踏み絵”【終結宣言の余波】
NEWSポストセブン
第1子を出産した真美子さんと大谷(/時事通信フォト)
《母と2人で異国の子育て》真美子さんを支える「幼少期から大好きだったディズニーソング」…セーラームーン並みにテンションがアガる好きな曲「大谷に“布教”したんじゃ?」
NEWSポストセブン
俳優・北村総一朗さん
《今年90歳の『踊る大捜査線』湾岸署署長》俳優・北村総一朗が語った22歳年下夫人への感謝「人生最大の不幸が戦争体験なら、人生最大の幸せは妻と出会ったこと」
NEWSポストセブン
漫才賞レース『THE SECOND』で躍動(c)フジテレビ
「お、お、おさむちゃんでーす!」漫才ブームから40年超で再爆発「ザ・ぼんち」の凄さ ノンスタ石田「名前を言っただけで笑いを取れる芸人なんて他にどれだけいます?」
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン