現場レベルでは、年初からの株価乱高下と1月末のマイナス金利導入発表がきっかけとなって「買い」が増えているとの証言がある。金の売買を手がける田中貴金属工業の店頭には、大挙して来客があるという。
「マイナス金利が発表されてから、問い合わせは確実に増えていますね。もともと1月は金の国内価格がここ1年の最安値をつけたこともあって、お店の待合スペースがいっぱいになるほどの盛況となりました」(貴金属リテール部部長・加藤英一郎氏)
金の国内価格は1月15日に1グラム=4140円の安値をつけてから、マイナス金利導入発表を挟んで3月に入り、同4544円まで急騰した。
金価格に連動する上場投資信託(ETF)の注目も高まっている。三菱UFJ信託銀行が管理する金ETF「金の果実」は、投資家の積極的な買いにより、2月には資産残高が400億円を超え、史上最高を記録した。各所で金爆騰の動きが顕在化しているのだ。
※週刊ポスト2016年3月18日号