ビジネス

マイナス金利時代 金利高い地銀のネット支店をチェック

 2月16日に日本銀行が導入したマイナス金利について、新聞やテレビでは“とんでもないこと”のように報じられているが、今いちピンとこない…。そもそもマイナス金利って何なの? ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんが解説する。

「マイナス金利とは、民間銀行が日銀に新規で預けるお金にマイナス0.1%の金利を適用すること。これまでなら、民間銀行は日銀に預金しておけば金利がつきましたが、マイナス金利で一転して、日銀にお金を預けるほど損をするようになりました。だから、普通預金や定期預金の金利を下げ、ローンなどでお金を積極的に貸し、金利収入を得ようとしています」

 たしかにマイナス金利導入後、三菱東京UFJ、三井住友、みずほの大手3行は普通預金金利を年0.02%から史上最低となる0.001%に一斉に引き下げた。100万円預金しても1年間の利息はたった10円しかなく、スズメの涙にもならない。

 預金金利を下げる銀行が目立つなか、少しでも得をしたいのであれば、できるだけ割のいい銀行に“乗り換え預金”するという手も考えたほうがいいだろう。ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんが解説する。

「オススメは金利の高い地方銀行のネット支店です。なかでも愛媛銀行四国八十八カ所支店、トマト銀行ももたろう支店、香川銀行セルフうどん支店はメガバンクの10倍以上の金利。地銀は経営状態が不安視されることもありますが、1000万円までなら預金が保証されるので心配ありません」

 損するばかりのように思うマイナス金利にもちょっとしたおトクがある。それが「住宅ローン」。マイナス金利になると、銀行は貸し手を取り逃さないよう、各種ローンの金利を下げる。なかでも額の大きい住宅ローンは、おトクの幅が大きくなるので「借り換え」を検討したい。

 どこに借り換えればいいのか? 数ある住宅ローンのなかでも畠中さんのオススメは、住宅金融支援機構と民間が提携する固定金利の住宅ローン「フラット35」だ。

「マイナス金利の影響で、『フラット35』の返済期間『20年以下』タイプへの借り換えで、3月の金利は史上最低の1.02%です。固定金利なので、経済状況が変わったとしても最後の返済まで同じ金利のままと、安心できます」(畠中さん)

 注意したいのは、住宅ローンの借り換えには手数料や登記費用などで数十万円かかること。借り換えるべきか、やめるべきか、決める基準はおさえておきたい。

「目安となるのは、ローンの残り期間が10年以上で残高が1000万円以上、なおかつ借り換え先のローンとの金利差が1%以上あるケースです。これに該当すれば借り換えを検討する価値が充分にあります」(横山さん)

※女性セブン2016年3月31・4月7日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
フレルスフ大統領夫妻との歓迎式典に出席するため、スフバートル広場に到着された両陛下。民族衣装を着た子供たちから渡された花束を、笑顔で受け取られた(8日)
《戦後80年慰霊の旅》天皇皇后両陛下、7泊8日でモンゴルへ “こんどこそふたりで”…そんな願いが実を結ぶ 歓迎式典では元横綱が揃い踏み
女性セブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
「凛みたいな女はいない。可愛くて仕方ないんだ…」事件3週間前に“両手ナイフ男”が吐露した被害者・伊藤凛さん(26)への“異常な執着心”《ガールズバー店員2人刺殺》
NEWSポストセブン