女子会やファミリー・ビジネスユースだけにとどまらず、訪日外国人客需要に取り組む施設も出てきた。一部の客室ではなく、ホテル全体を一般ユース向けにリニューアルする施設もある。とはいえ、集客はどうするのか。やはり、宿泊予約サイト(OTA)への登録が前提だ。
一般的な予約サイトへの登録は、基本的に新法営業の施設が前提となっていたが、ここにも新たな動きが出てきている。
世界的に有名な予約サイトである「ブッキングドットコム」では、旅館業の登録があれば4号営業でも登録可能とした。ただし対面接客や、一般的には電子施錠で出入り不可能なケースでも、出入りを自由にすることなどが条件とされる。すなわち、レジャーホテルにも、接客レベルといった質の高さが求められる時代になったのだ。
千葉市の「ホテル トイスト」「ホテル ミスト」は4号営業の施設であるが、新たな試みとしてブッキングドットコムへ登録をしたところ、外国人客からの予約が堅調だという。成田空港からのアクセスも良く、幕張の国際会議などで周辺ホテルが満室になるようなケースもあり予約が入るという。
一般のホテルの多くは稼働率に応じて料金を変動させるが、レジャーホテルは基本的に均一料金だ。そのあたりも安心感があるのか。季節波動もあるが需要を取り込んでいきたいという。同ホテルには英会話の堪能なスタッフは少ないものの、基本的な説明を記したカードや、スタッフが対応できるよう会話例の書かれたカードが用意されている。
これまで経験のない一般客の利用増加にレジャーホテルも戸惑っているのが実状だ。とはいえ、ホテルがない! という状況は深刻。宿泊施設は観光の屋台骨ともいえるだけに、今後のレジャーホテルの動きに注目したい。
ところで最大の疑問であった“避妊具”や“アダルト放送”はどうするのか。一般客を取り込むホテル経営者によると「一般客の時は撤去し放送は停止する」とのこと。ハイブリッドな手探り経営は続く。
●写真提供/瀧澤信秋