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荒汐部屋の猫親方モル 蒼国来が名付け親で意味は「猫」

相撲部屋の猫親方・モル

 東京・中央区の早朝、廻し姿の力士たちが、荒汐(あらしお)部屋の稽古場へと下りてくる。

「おはよう、関取! 今日の調子はどう? 稽古、稽古、なにはなくともとにかく稽古だよ!」

 階段で部屋頭の蒼国来(そうこくらい)関に声をかけたのは、猫のモル親方。荒汐部屋にまだ弟子が3人しかいなかった頃から苦楽を共にした仲だけに、遠慮がない。

「俺と関取が出会ったのは、11年前。関取は内モンゴルから日本に来たばかりで、親猫とはぐれた俺と気が合ったのかも」

 名づけ親も、蒼国来関。「モル」というのは関取の故郷である内モンゴルの言葉で「猫」という意味で、そのまま名前になった。

「今は12人の力士と、行司、床山、そして俺の親代わりでもある親方とおかみさんが家族。毎日にぎやかでいいよね」

 おかみさんは「モルが来てから、いろんなことがうまくいくようになったのよ。部屋の招き猫ね」と目を細める。

「若いころは地方巡業にも一緒に行ったもんさ。でもさすがに10才を過ぎたあたりから持病が出てきて留守番に。テレビや新聞で結果をチェックしながら、ここで応援するんだ。『みんな、頑張れよ!!』って」

 稽古が終わると、ちゃんこ場で髷を結い直す関取としばしお遊びタイム。部屋のみんながモル親方を頼りにし、そして愛しているのである。

【プロフィール】
名前:モル ♂
年齢:11歳(推定)
種類:猫
勤務先: 荒汐部屋
職種:親方
主な仕事内容:力士たちと生活を共にして、励ましや癒しになること。
お給料:部屋の力士の勝ち星!
好きなこと:テリトリーのパトロール。たまにはカノジョとデートも。
嫌いなこと:細かいことは気にしないので、特になし!
現在の悩み:持病のため、大好物の焼き海苔がドクターストップになったこと。
将来の夢:ずっとここで荒汐部屋のみんなを見守っていたい。

撮影■山口規子

※女性セブン2016年3月31・4月7日号

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