ビジネス

世界初 和紙に漆を印刷した軽く丈夫なスリッパは3万240円

「大直 SIWA×URUSHIスリッパ」(3万240円)

 和紙がユネスコの無形文化遺産に登録(2014年11月)されて以来、数多くの商品が登場している。そのなかで、昨年6月に発表された「SIWA×URUSHI」は、和紙に漆を印刷するという、画期的な製品だ。

「漆の印刷といえば、鹿革に和柄をのせる印伝が有名ですが、和紙への印刷は世界でも初めての試みです」

「大直」広報の一瀬愛さん(以下・「」内同)はそう語る。このシリーズの出発は、2008年に立ち上げたブランド「SIWA-紙和」だ。

 これは、日常で使える和紙製品のブランドを立ち上げたいと考えた山梨県の和紙メーカー「大直」が、同じ山梨出身で、「無印良品」などのデザインを手掛け、老若男女問わずに人気の高いプロダクトデザイナーの深澤直人さんに声をかけたのがきっかけだ。

 深澤さんは、和紙で日常的に使えるものを作るには強度が必要ということで、目をつけたのが、大直が障子紙などの生活用品のために開発した、強度と耐久性に優れた、破れにくい特殊な和紙“ナオロン”だった。

「SIWA」シリーズは、ナオロンをくしゃくしゃにしてしわを寄せることで生まれる柔らかな手触りを生かし、カジュアルでシンプルなデザインが中心。一方「SIWA×URUSHI」シリーズは、漆の光沢と和紙の優しい風合いがマッチし、高級感も加わった。

「ナオロンという和紙は、水に強く、耐久性がありますが、これに特殊加工を施した後、熟練職人さんが手刷りで漆を印刷することで、さらに強度が増しています」

 和紙のバッグや小物入れなど7種で展開しているが、なかでも人気の “スリッパ”は、片足約40gと極軽量ながら、裏は革張りで内側にはクッションが入り、サラリとした履き心地が魅力の逸品だ。

 写真のモダンなデザインのスリッパ(pinecones〈紙:ピンク×漆:ダークグリーン〉、L〈26~28cm〉3万240円)は、松ぼっくりをモチーフにしたフィンランド出身デザイナーによるものだ。

※女性セブン2016年3月31・4月7日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン