国際情報

中国で総額100億円以上の使用期限切れワクチン流通

中国で使用期限切れワクチンが大量流通

 中国山東省で3月下旬、使用期限が切れたり、適切に保存されていないワクチンを違法販売したとして、37人が逮捕された。ほかにもワクチンを横流しした疑いで製薬会社など13社が取り調べを受け、そのうち1社に営業停止処分が下された。

 これらのワクチンはインフルエンザや狂犬病、水痘などに用いられており、5年間で200万本以上の違法ワクチンが中国全土24省・自治区・直轄市に出回っており、取引額は5億7000万元(約100億円)に上るなど、違法ワクチンの流通では史上最悪だ。子供が接種するものも含まれており、生命よりも利益重視という中国独特の倫理観のなさに批判の声が高まっている。

 中国国営新華社通信によると、李克強首相は事件についてコメントし、「ワクチン管理に漏れがあった」と認め、流通ルートなどの徹底調査を指示。中国の医薬品規制当局は地元当局と協力し、ワクチンの流通先を突き止めて商品の回収を目指すとしている。

 世界保健機関(WHO)は事態を重視して、声明を発表。このなかで、違法ワクチンが医療機関に転売されたとの報道があったことを承知しており、中国当局による調査結果の発表を待っているとコメント。

 そして、「ワクチンは適切に保管・管理される必要がある。そうでなければ効果が失われたり弱まったりする可能性がある」と強調した。そのうえで、声明は「使用期限が切れていたり、保存状態が悪かったワクチンであっても、問題が起きることはほとんどない」と説明している。

 しかし、ネット上では「自分の子供に違法ワクチンが接種されていたら、どう思うだろうか。ワクチンを横流ししていた13社の製薬会社は即刻つぶして、責任者は牢獄行きだ」との過激なコメントが書き込まれている。

関連キーワード

トピックス

“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
『あんぱん』“豪ちゃん”役の細田佳央太(写真提供/NHK)
『あんぱん』“豪ちゃん”役・細田佳央太が明かす河合優実への絶対的な信頼 「蘭子さんには前を向いて自分の幸せを第一にしてほしい。豪もきっとそう思ったはず」
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン