売れ筋は2.5リットルエンジン+モーターのハイブリッドだが、これまたぜんぜん速くない。ハイブリッドモデルのカタログ燃費は18.4km/リットルと良好とはいえ、実燃費はせいぜい10km/リットル強。重さと空気抵抗で打ち消されてしまうのだ。しかし女性の「うわー、すご~い。ステキ!」という声の前に、そんな事実は無力だ。
運転すると、なにしろ重いし動きが鈍い。先代よりはマシになったが、それでも運痴のデブだ。カーマニアとしては遠慮したいが、ゆったりした室内や数々の豪華快適装備に惹かれて、ベンツやBMWなどからの買い替え客も多い。
昨年末には、「ロイヤルラウンジ」なる超豪華な特装車も発売された。広々とした車体後部には飛行機のファーストクラス的な超ゴージャスシートが2脚のみ。24インチ液晶ディスプレイや冷蔵庫、マガジンラックなどの豪華装備は、ファーストクラスを超えたプライベートジェット感覚である。
さらに「ロイヤルラウンジSP」なら、運転席ともパーテーションで仕切られているので、運転を運転手にまかせ、リアウインドウの液晶シェードを不透明状態にすることも可能である。価格は最高でなんと1546万円!
アルファード/ヴェルファイアに対抗できる高級ミニバンは、メルセデス・ベンツVクラスくらいだが、あちらにはロイヤルラウンジ仕様はない。7人がゆったり乗れても温泉でシッポリするのは2人のみ。ムダである。オッサンの究極の夢は、アルファード/ヴェルファイアのロイヤルラウンジ仕様(運転手付き)で、美女と高級温泉宿へ──でキマリだろう。
※週刊ポスト2016年4月15日号