高齢化社会の日本。おのずと家族の死に直面することも増えるだろう。そうなると自分が喪主になることも増えてくるわけだが、事前に準備をしていないと、慌てふためくこととなってしまう。
そこでいざという時のために葬儀の基本を学んでおく必要があるわけだが、まずは葬儀にはさまざまなスタイルがあるということを知っておこう。
■一般葬
「親戚や近所の人、故人の友人や仕事関係者など、お世話になった人たちを広く呼ぶ、古くからあるタイプの葬儀です」(エンディングデザインコンサルタントの柴田典子さん)
■家族葬
「文字通り家族だけで故人を弔う葬儀です」(柴田さん)
■直葬
通夜や告別式を行わず、火葬のみを行う葬儀。「1人暮らしをしているから、親族とは縁を切っているからなどの理由で、希望されます」(柴田さん)
■生前葬
生きている間に葬儀を行うこと。「生前葬に参加しても、亡くなったと聞いたらやはり最後のお別れをしたくなります。ですから、充分に考慮しましょう」(柴田さん)
さて、どうしよう──この時、故人の生前の遺志を尊重するのも大切だが、それだけで決めてはいけないと柴田さんは言う。
「葬儀は、遺族が故人の死を受け入れるための儀式でもあります。遺族が後悔してしまったら意味がありません。家族葬の場合、葬儀が終わってから、『多くの人に知らせた方がよかった』と言う遺族がいます。最近、『家族葬を希望する』かたが増えていますが、周囲のかたや自分たちの想いを考えた上で一般葬をしても私は構わないと思います」(柴田さん)
喪主は、親戚や故人の知人に訃報とともに葬儀の日程を知らせる。参列するかしないかは、聞いた側に委ねる。ただし、親戚関係は把握していても、故人の友人関係は把握していないことがある。その際、役立つのが年賀状だ。
「毎年やりとりをしている人は、故人にとって大事な人。必ず連絡をしましょう。生前に連絡してほしい人のリストを作ってもらうこともいいと思います」(柴田さん)
親戚などに電話連絡した後には、訃報通知をファクスで送ること。
「葬儀会場の地図も送れます。最近は、写真に撮って携帯メールで送るかたもいらっしゃいます」(葬想空間スペースアデュー代表取締役・白井勇二さん)
万一、知らせ漏れがあった場合には率直に謝ろう。
「どんなに気をつけていても起こる可能性があります。その場合は『急なことで気づかず申し訳ありませんでした』と謝罪しましょう。裏を返せば、それだけ故人を慕ってくれていたということ。とてもありがたいことなんです」(柴田さん)
※女性セブン2016年4月28日号