ビジネス

徳田虎雄氏の後継争う徳田ファミリーvs徳洲会幹部の内紛

 2013年、全国280以上の医療施設を展開する「徳洲会グループ」による選挙違反事件(※)が発覚し、全身の運動神経が衰える難病・ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患いながらグループを率いた総帥、「トラオ」こと徳田虎雄氏が医療法人・徳洲会理事長を辞任した。

【※選挙違反事件/2012年12月総選挙で鹿児島2区から立候補した徳田虎雄氏の次男・毅氏の選挙にあたって、職員に給料を支払って選挙運動にあたらせるなど、病院組織ぐるみの違法な選挙運動を行なっていたことが明らかになった事件】

「事件当時、虎雄氏の親族たちはグループ内の複数の医療法人・社会福祉法人の要職に就いていたが、事件後は次々と退任する動きが進んだ」(グループ関係者)

 その流れに「待った」をかける文書が、全国の徳洲会系施設にFAXで送信されたのは、3月15日のことだった。文書は13枚。送り主は虎雄氏の実弟で医療法人・徳洲会大阪本部顧問だった徳田孝徳氏だ。FAXにはこんな文言がある。

〈徳洲会グループの幹部連中は、創業者・徳田虎雄に対して、そんなにまで冷酷な仕打ちをする人たちなのか?〉

 この文書の主旨は、徳洲会現理事長・鈴木隆夫氏らによって徳田ファミリーをグループ内の病院の理事から外そうとする動きがあると主張するもので、それを孝徳氏が阻止しようとした行動といえる。

 徳田ファミリー側の主張をまとめると、「現理事長側は『長男・哲氏らがグループ内の法人のカネ5億円を自らの関連口座に移した問題』を口実にファミリー外しを進めようとしているが、そんな事実はない」というもの。要は「ファミリーは無実の罪を着せられている」との主張だ。

 FAXの内容について、哲氏に質問状を送ると、同氏の妻である徳田恵子氏が本誌編集部に現われ、約80分にわたって主張を説明した。

「徳田家は選挙違反事件で逮捕者を多数出しましたが、(夫の)哲は臨床の現場が大好きで、選挙にはかかわっていない。それでも事件後にグループの役員からは退き、現場の法人の理事として働いている。それも辞めろというのは納得がいかない。ましてや5億円を振り込ませたなどの虚偽の話で印象操作するのはおかしい」

 一方、現理事長サイドの主張は真っ向から対立する。徳洲会のコメント。

関連キーワード

関連記事

トピックス

グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン