国際情報

日本の未来予測した米書「核保有」「憲法9条改正」を予言

米国で話題の書

 アメリカで発売され、話題となっているかつての「日本叩き」の急先鋒であるクライド・プレストウィッツ氏の書『JAPAN RESTORED(日本復興)』では、2050年の日本の姿が予測され、そこでは「核兵器と弾道ミサイルなどを保有し、憲法9条が改正されている」と分析されている。現在の日本の状況を鑑みると非現実的に思えるが、果たしてそれは現実になりうるのか。

『日本復興』の中でも多くの紙幅が割かれているのが、安全保障分野だ。同書では、日本の防衛費はGDPの3%に達し(現在約1%)、核兵器と弾道ミサイル、サイバー兵器などを保有すると予測されている。憲法9条を改正して米国に代わってアジア太平洋地域の安全保障に責任を負い、自国や同盟国の国益が脅かされたら戦争も辞さない「普通(normal)」の国になっているというのだ。

 もちろん、一足飛びに核保有というわけではない。同書では次のようなシナリオが描かれている。

 米国は国内の経済格差が広がり、ますます内政重視となり、在日・在韓米軍をグアムやハワイなどに移管。その間隙を縫って中国が尖閣諸島に侵攻し、「釣り人探索」の名目で実効支配する。米国は中国と正面から対峙するリスクを避け、尖閣問題を日本に“丸投げ”する姿勢を明確にする。

 同時に中国、韓国、北朝鮮が接近し、中国に後押しされた沖縄が日本からの独立を画策。日本政府は沖縄へ自衛隊派遣を検討するが、米中両国に咎められて取り止めるというアクシデントが生じる。

 さらに2022年までに横須賀の第七艦隊を含む全ての米軍が日本から撤退し、日米同盟のプレゼンスが完全に低下する。見捨てられた日本は「怒り」と「恐怖」のあまり、憲法9条の破棄と核武装を目指す──。

 元航空自衛官で評論家の潮匡人氏は「リアリティがある予測だ」と評する。

「米国は次期大統領が誰になっても弱腰外交が続くだろう。自国の国益に直結しない中国の尖閣侵攻を傍観するシナリオは現実的だ。日本の護憲派も実際に尖閣が奪われ、米軍が日本から撤退すれば、防衛費の増額と9条破棄を受け入れるのではないか」

 日本の軍事強化にはアジア諸国の警戒心を解く必要があるとして、著者は日本の「態度変更」を推奨する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン