連日テレビや新聞で報じられる熊本地震の被害状況に、「明日は我が身か」と身構えている人も少なくないだろう。同じ規模の地震がもしも大都市で起こったら、さらなる大惨事となることは間違いない。
2013年12月に国の有識者会議が発表した被害想定によれば、首都直下型地震による死者数は、最悪の場合約2万人、建物全壊・焼失棟数は約61万棟に上るという。首都直下型の大地震が起きたとき、様々な状況下において我々はいったいどんな行動をとればいいのか。「究極の二択」があなたの生死を分ける──。
【東京ドームにいたら、外に逃げるか、中にとどまるか】
東京ドームの屋根が落ちてきそうで怖いが、実は中にいるほうがずっと安全だ。
「関東大震災並みの地震にも耐えられるようになっています。また、地震で停電になっても5秒後に自動的に自家発電機2台が起動し、屋根膜のドームを膨らませるための加圧送風機が復旧します。
さらに今年から3年かけて大改修を行なっており、照明や大スピーカーなどの吊りモノもなくなりました。客席部分に天井から何かが落ちてくる可能性はかなり低いと思います」(東京ドーム広報IR室)
東京ドームの中は避難場所として使用できるほど、安全な場所だという。災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏がいう。
「逆に慌てて外に出ようとすると、転倒や将棋倒しに巻き込まれ、非常に危険です」
【体育館では、中央に集まるか、壁際に移動するか】
東京ドームは屋根の下にいても安全だが、体育館は別だ。地震によって体育館の天井が崩落する事故が過去に何度も起きている。
「体育館の中央に集まるのは危険です。まずは壁際に移動するか、屋外に逃げるべき」(和田氏)
東日本大震災では、まだ新しい茨城空港の天井が崩落した。
「あのときは、その場に正しい避難を指導する人がいたので、全員が壁際に移動して助かりました。大空間では基本的に中央にいてはいけません」(和田氏)
※週刊ポスト2016年5月6・13日号