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中国で「愛人撃退会社」が大盛況 費用は約330万円から

裏切りの代償は高くつきそう(写真:アフロ)

 人によっては背筋が寒くなりそうなこの事例、商魂たくましいと感心すべきなのか……。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 少し前、中国の動画サイトで大きな話題になったのは、本妻が夫の浮気相手に暴行を加える動画の投稿だった。夫の浮気を知った妻が、仲間の女性を誘って愛人の住処を突き止め、その上で普段よく行く店などで待ち伏せして暴行を加えるという凄まじい内容だったのだが、ある種のブームと呼べるほど夥しい数の投稿があった。

 このことが中国における不倫の実態を示しているとも指摘された。

 現在、こうした世相を反映して中国社会には何とも奇妙なビジネスが登場しているという。

 その名も「愛人撃退会社」だ。

 2016年4月4日付『中国青年報』のネットが詳しく伝えている。タイトルは、〈二奶(愛人)撃退の本格サービス 費用は20万元から イケメンを使った男性版美人局もあり〉である。(20万元は約330万円)

 記事によれば、中国でかつては富の象徴であった「愛人を囲う」行為は、いまや中流家庭にまで広がり、大きな社会問題になっているという。そこで登場したのがタイトルのようなサービスだ。

 提供している企業は、もともと夫に裏切られた妻の法律相談に乗っていたという。

〈かつて夫の不忠を知った妻の大半はすぐに離婚を選択したが、いまでは簡単に自らの地位を手放さなくなった〉と記事は指摘する。

 約15年間で5万組の夫婦の離婚相談によって蓄積したノウハウを生かし、撃退に特化した企業を3社設立し、そこで50名の社員を配置しているという。最初は、片手間であったこのビジネスが拡大したのは、もちろん社会にそのニーズがあったからである。現在では毎日200件から300件の問い合わせが入り、そのうち10人から15人が具体的な相談に来るというほどの盛況ぶりだという。

 この企業によれば、15年前にはおよそ80%の女性がすぐに離婚を決断していたが、いまではほとんどの妻が離婚を選択しなくなったという。

 愛人を家庭から遠ざけるために、さまざまな方法が用いられるが、〈場合によっては美男子を使って相手を誘惑する〉いわゆる美人局もやるというのだから恐ろしい。

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