「何を整形と呼ぶかというのは答える側の認識です」と言うのは、前出の高須院長だ。
「ぼくらの業界の常識では、歯を1本抜いたらもう整形ですが、日本人の根底にはやはり儒教の教えがあって、“親からもらった体にメスを入れるなんて”と考えていて、やっぱり面と向かって整形を認めない傾向があります。
でもね、全国5か所ある『高須クリニック』には、1日500人の患者がくるんですよ。ぼくは日本の人口よりずっと多い数の注射を打ってきました。若さと美貌を追求するための施術で、保険がきかないものは全部整形ですから。ヒアルロン酸やボトックス注射も、フォトフェイシャル、レーザー治療、ほくろとったり、歯のホワイトニングも、全部整形です」
青山渋谷メディカルクリニック名誉院長で精神科医の鍋田恭孝氏は言う。
「例えば、バブル絶頂のころは、イケイケドンドンで派手に盛り込んで、今ある自分をよりレベルアップできない自分はだめだという強迫観念があって、良い意味で完璧主義というか、不安に駆られるからそれを払拭するために美容整形をしていた。
でも今は、もっと軽い気持ちですよね。脱毛なんかと同じ感覚です。脱毛だって、一種の整形ですから。濃い毛が嫌だったり、毎回剃るのが面倒だからだったり、理由はさまざまですが、心理的な意味でいえば整形です」
心理的にいえば、白髪を黒く染めるのだって整形。黒目を大きく見せるためのコンタクトを入れるのだって、まつげエクステをつけるのだって、整形といえるのではないか?
※女性セブン2016年5月5日号