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ディープな趣味だった鉄道の世界 MAD動画で裾野拡大

4月29日にオープンした京都鉄道博物館


 鉄道好きが高じて、鉄道のあらゆる分野で活躍する向谷さんが“超鉄道”の総合プロデュースを担当するのは自然な流れといえるが、そもそもニコニコという老若男女が利用する巨大メディアが“超鉄道”というマニアックなブースを設けることになったのはどうしてなのか?

「当時からニコニコ動画内で、鉄道の“車載動画”などが数多く投稿され、潜在的な鉄道ファンがニコニコには多く存在していました。そこで、『ニコニコ動画のすべてを地上に再現する』という超会議のコンセプトのもと、“踊ってみた”“歌ってみた”だけでなく、鉄道ファンに向けたブースも企画したのです」(ニコニコ超会議鉄道ブース担当者)

“超鉄道”ブースではマニアックな話になりがちだが、ニコニコ動画では鉄道に詳しくない人でも楽しめるMADがたくさんアップされている。MADとは、既存の音声や動画を編集、合成し再構成した動画のこと。鉄道の投稿映像にもMADのタグがついたものが多く、そのなかには従来の鉄道ファンの枠を超えて人気を集めているものもある。

 一例を挙げるとすれば、2013(平成25)年にアーティスト・きゃりーぱみゅぱみゅがリリースした「にんじゃりばんばん」をアレンジした“「にんじゃりばんばん」が北海道の駅名で歌える気がしたから歌ってみた”だろう。曲の歌詞をすべて北海道の駅名に置き換えて歌ったこのMADは、アップされた瞬間から人気が殺到し、テレビでも紹介されるほど話題になった。

 さらに、きゃりー自身もMADを視聴し、「なんかもうよくわかんないけどめっちゃ笑ったわ」とツイッターで言及。きゃりーのツイート経由で、鉄道ファン以外からも繰り返し再生されるという現象まで起きた。MADによってディープだった鉄道の世界がぐっと身近になった。

 京都鉄道博物館やインターネットの新しい技術によって、趣味としての鉄道の参入間口は確実に広くなっている。

「鉄道ファンは怖そう」。そんなイメージがあるかもしれない。「鉄道ってなんだか難しそう」と思っているかもしれない。でも、恐れることなんてない。実は「ニコニコ超会議」の鉄道ブース担当者も最初は「鉄道は単なる移動手段」としか見ていなかった。

 それが、担当になったことで鉄道にも少しずつ興味が芽生えたという。だから「なんとなく、好き」で十分。そこから鉄道の世界に足を踏み入れてほしい。

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