ちなみに針間くんの両親は、息子に多様性のある子供になってほしいと、海外旅行によく連れだって出かけていた。また自宅の本棚には、国内外、ジャンルを問わない本がたくさん並んでおり、針間くんは自然にそれらを手にとる環境にあった。

 しかし彼の記憶では、両親から「○○しなさい」と言われたことはない。唯一、「その道のいちばんになりなさい」とだけ言われ育った。お坊ちゃんで、小さな頃から「天才」と評判だったのに、公立の小学校に通っていたのも「両親の考え」という。

 そんな彼も遊びたい気持ちを抑え、やる気を持ち続けるのは簡単なことではない。しかし針間くんは、無意識にこんなことを実践していた。

●大好きな音楽と勉強をセットにする(音楽を聴きたいから勉強する習慣をつくる)
●宿題はキッチンタイマーで“制限時間”を設定(その時間内にできなかったら腹筋50回を罰として課すマイルールあり)
●ナンパで度胸をつける(受験はメンタル勝負。度胸をつけるため、とにかく街で外国人や女の子に声をかける)

「東大を目指す親御さんにできることはほとんどなくて、でもできることもある。それは“大丈夫”と言い続けること。こんなぼくでも受験が近づいてくると、さすがに緊張したり、不安になったりしました。でも“大丈夫”と言ってもらっているうちに、本当に大丈夫になってきたんですよね。無条件に信頼してくれているという想いがぼくを確かに強くしてくれました」

※女性セブン2016年6月16日号

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