巷でこれほどしゃべりが下手、司会はとても無理、と批判されている中で、このコメントには凄味さえ感じる。アナウンサーのように話せる訓練をしたとしても、それならアナウンサーと同じ。「自分である必要性をどう出せるか」を意識し、自覚して、追求しようとしている。「自分らしさは消さない」という根性から、ニュースに対する独自の視点をもっと編み出さしてほしい。相撲オタクとして相撲愛を語る時のように。
今や日本政府は必死に「グローバル化」を叫び、産業も教育機関も国際化を目指して血眼になっている最中。その中で、司会もコメンテーターも揃ってアメリカ人と日本人の親を持つ、グローバルコンビで進める報道番組が他にあるだろうか。
市川さんとモーリー氏、二人が単なる「ハーフ」という看板を超えて、「そういう自分だからこそ語ることができる」視点で語り始めた時、この番組は迫力を増す。独自性はもっと輝く。一言で言えば、予定調和ではない面白さ。何が出てくるかわからないスリルな報道番組だ。
5月から流れ始めた番組のテーマソング『百万本の赤い薔薇』は、桑田佳祐氏がこの番組を見て書き下ろした曲だとか。夜毎響きわたるフレーズは「降板時期尚早」を主張するスローガンに違いない。そう、私には聞こえる。