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2016.06.05 07:00  週刊ポスト

「1億総活躍社会」実現が不可能なのは明らかと大前研一氏

 にもかかわらず、この期に及んでもマクロエコノミストたちはアベノミクスが失敗した理由を説明できず、「さらなる金融緩和を」だの「補正予算で切れ目のない景気対策が必要だ」だのと言っている。しかし、そういう輩はエコノミスト失格だと思う。なぜなら、マイナス金利以上の金融緩和はないし、いくら景気対策に税金を注ぎ込んだところでほとんど効き目がないことは、すでに証明されているからだ。

 つまり、国家が成熟し、国民が高齢化して「低欲望社会」になった今の日本では、政府が金利やマネーサプライ(通貨供給量)をいじったり、公共事業で有効需要を生み出したりして景気を刺激するマクロ経済学の方程式は通用しなくなったのであり、したがってマクロ経済学者も“用済み”なのである。

 ここで非常に重要な認識は、21世紀の経済を創り出すのは集団ではなく、数人の突出した個人、優れた指導者である、ということだ。「1億総活躍」とは正反対の時代なのである。その対応策は、集団で動く大手町の経済団体の人たちに聞いても出てこない。彼らの大半は、単に日本企業の組織の中でサラリーマンとして運良く出世してきた人たちだからである。

 もし安倍首相が本気でGDP600兆円を目指すのであれば、「スペースX」共同創設者兼CEOのイーロン・マスクや「ツイッター」共同創設者兼CEOのジャック・ドーシーのような抜きん出た起業家を、インド、中国、台湾、韓国、東南アジア諸国などから日本に招集しなければならないのだ。

※週刊ポスト2016年6月10日号

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