日常の性生活では得られない、非日常の快楽を求めるにはお金がかかる。しかし、「超高級」という壁を越えれば、経験したことがないような快感や満足感を味わえるサービスが世の中には存在する。日本一料金が高いラブホテルはどこか。ラブホテル評論家の日向琴子氏に聞くと、
「神奈川県内にあるG。土日・祝前日のスイートルームの宿泊料金が3万9990円で、現時点で日本で最も高い。以前は1泊10万円の料金設定だったこともあります」
とのこと。Gに取材を申し込んだが、「取材対応はしていない」との返答。やむなく、記者(50)が妻と2人で実際に利用してみることにした。
ホテルに着くと、広い駐車場に停まっているのが高級車ばかりであることにまず驚かされる。そして2階のフロントに行くためにエレベーターに乗りこむと、ふんわりと南国の花の香りが漂ってきた。キツすぎず品が良い感じで、「ええ~? ラブホ?」と乗り気でなかった妻も「まあ、いい香りね」とご機嫌な様子である。
ロビーには自分の好みの枕を選べる「枕バー」や入浴剤、シャンプーなどを自由に選べるスペースが。ただしスイートルームの客は、ここから持っていかなくても、部屋の中のモニターからオーダーできるという。
平日ということで1泊2万9990円の室料を前払いしてチェックイン。さっそくエレベーターで高層階にあるスイートルームに向かう。
ドアを開けると高級感漂うエントランスがあり、内ドアの向こうには黒と白を基調としたラグジュアリーな空間が広がっていた。室内にはキングサイズのベッドと高級そうな革張りのソファ、70インチの3D液晶テレビ、それに首からふくらはぎまで全身をくまなくほぐすマッサージチェア。バルコニーには広々とした露天風呂があり、妻が「わ~、すご~い」と歓声を上げた。ちなみに内風呂はミスト機能付きで、サウナとしても楽しめるという。
さらに妻が感動したのは、広くてゴージャス感満点の洗面スペースだった。女性に嬉しいアメニティグッズや美容グッズが充実しているようで、美顔器やヘアアイロン、カールドライヤー、多種多様な保湿クリームと、至れり尽くせり。
案外と女性の気分を高めるにはこういう雰囲気が大切なのかも。翌朝起きると、内ドアの外に朝食メニューが届いていた。高級旅館で出されてもおかしくないクオリティである。
※週刊ポスト2016年6月10日号