2002年、RX-7は排ガス規制の強化により消滅し、翌年、観音開きの前後ドアを持つ4人乗りスポーツのRX-8となってリボーンした。ロータリーエンジンはターボを廃して自然吸気となり、その他さまざまな改良を施して排ガス基準をクリア。燃費も3割向上させた。と言ってもリッター6kmが精一杯だったが……。
先日、約10年ぶりにRX-8に乗る機会があったが、ロータリーエンジンはまさに『キュイーン』と回って、オッサンの胸をキュンとさせた。ロータリーエンジンとはこんなにも気持ちのいいものだったのかと、改めて瞠目する思いだった。
そのRX-8が生産中止となり、ロータリーエンジンの生産も終了して約4年。マツダは好調な業績の波に乗って、昨年の東京モーターショーに『RX-VISION』なるコンセプトカーを出展した。その異様に低くて長いノーズには、ロータリーエンジン以外は搭載できない。つまりマツダは、まだロータリーを捨てていないことを内外に示したのである。
果たしてロータリーエンジンは、排ガスや燃費の問題をクリアして復活できるのか? カーマニアとして実に楽しみではないか!
仮に復活した場合は、死ぬまでに必ずロータリーエンジン車をゲットして美女を温泉へ連れ出し、そのハートをキュイ―ンと泣かせたいものである。
※週刊ポスト2016年6月17日号