中国上海市で16日、アジアでは東京、香港に次いで3か所目のディズニーランドが開園した。当日は雨模様のなか、正午(日本時間午後1時)の一般入場を前に、正面ゲート前には徹夜組を含め数千人の来場者が列を作るなど、上々の滑り出しになったものの、東京や香港に比べて入場料が高いなど、早くも悪評ふんぷんだ。
上海ディズニーのチケット価格は、平日が370元(約6000円)。休日など混雑が予想される日は499元(約8000円)となっている。また、開園から6月30日までのチケット価格も休日並みの499元に統一されている。
チケット代のほか、園内のレストランも食事代も割高だとして不評だ。ホットドッグが60元(約1000円)、小籠包が1個6元(100円)など、市内の大衆的な食堂ならば、小籠包は5個10元ほどなので、3倍ほど高い。
上海の地元メディアによると、5月7日から6月15日までの試験営業期間中、約150万人以上が来場したという。人気アトラクションには長い列ができて2時間待ち、3時間待ちが当たり前となった。
ところが、並んだ末、「設備の故障で今日はもう乗れない」という状況も発生しており、観光客が係員を取り巻き、険悪な雰囲気に包まれたこともあったという。
とはいえ、ディズニーランド側の予測では正式開園後は年間1500万人の入場者数が見込まれ、ピーク時は1日10万人もの人々が殺到することも考えられるという。
これに対し、同じテーマパークを経営している万達集団傘下の万達旅行集団は脅威を感じているのだろうか? 同集団は現在国内で20か所のテーマパークを運営している。
オーナー経営者で、昨年、総資産規模2200億元(約3兆6900億円)と富豪ランキングで中国1位の座を占めた王健林・同集団会長は中国メディアに対して、「ディズニーは世界でも非常に優秀な企業の一つだが、中国に万達がいる限り、上海ディズニーランドは今後10年~20年は赤字が続くだろう」と予想。その理由として、王氏は「ディズニーランドは屋外のテーマパークで、上海では気候的に不利だ。上海の夏は雨が多く、何十日も雨が降る。冬も比較的寒いからだ」などと指摘している。