一連のパナマ文書問題で明らかになったのが、世界における富の偏在だ。庶民からすれば夢のような額の財産を持つ彼らは、いったいどんな風にお金を使っているのか。
香港の宝飾メーカー、ハン・フン・ゴールド・テクノロジー社で会長を務めた故・林世栄氏の異名は「金王」。彼が建設したショールームは、約2トン(約3億香港ドル分、当時のレートで約42億円)の金を使用した宮殿だ。
その内部は壁や天井から机、椅子などの調度品、食器類に至るまで金づくしだ。トイレはギネスブックに「もっとも豪華なトイレ」として紹介されたが、溶かされて現在は存在しない。
使われている2トンの金は、その後、金相場の上昇によって溶かして売却され、その利益は投資に回されたという。
※SAPIO2016年7月号