1989年からスタートした『噂の!東京マガジン』(TBS系)も長寿番組となり、辞めるに辞められなくなったという事情もあった。
「両番組とも数字(視聴率)は悪くないし、辞めるタイミングが難しい。だから、自分で線を引くのをやめて、『もうお前、用なしよ』と言われたら辞めればいいか、となった。
一番嫌なのは、周りが『辞めろ』と言い出せなくなって、『こいつ、いつまで頑張っているんだ』と思われること。これまでそういう人をいっぱい見てきたからね。人は自分に甘いから。俺は未練たらしく残りたいとは思わない」
常に10%前後の視聴率を維持している『噂の!東京マガジン』は、雑誌の見出しから話題の記事を拾う「週刊見出し大賞」、身近にあるトラブルを追究する「噂の現場」などのコーナーで構成される。
若い女性が料理名を出されて街中で調理する「平成の常識・やって!TRY(とーらい)」も人気コーナーで、毎回、実に珍奇な素人料理が出来上がるのだが、最近は笑えなくなってきたと森本は言う。
「食糧不足に苦しむ国がいっぱいあるのに、食材をめちゃめちゃにしてしまう感覚が怖いんですよ。もうちょっと大事に扱えよ、と言いたくなる。ユーモアじゃなくもうブラック。言葉遣いもこっちがたじろぐくらい乱暴でね。つい、顔が引きつっちゃうんですよ」
●撮影/初沢亜利 取材・文/一志治夫
※週刊ポスト2016年7月15日号