国内

官邸深奥発「憲法改正」肉声ドキュメント(2/4)

憲法改正への動きは?

 参院選の中で安倍晋三・首相は悲願の憲法改正について口を噤んでいった。官邸の内幕を描いた『総理』がベストセラーになり、いま最も政権中枢に近いといわれるジャーナリスト、山口敬之氏が、官邸内での憲法改正への肉声をレポートする。(全4回のうち第2回)

 * * *
 安倍と菅義偉・官房長官の動きを見ている限りにおいては、今回の参院選は(憲法改正に必要な)2/3を巡る与野党の攻防のようにも見える。しかし与党内には、それでは説明のつかない動きがあった。参院選中盤、自公候補の善戦を伝えるデータを前に、麻生太郎・副総理兼財務相は与党関係者に対してこう述べたという。

「もし2/3とっちゃったらどうするんだよ」

 麻生が危惧していたのは、二つの準備不足だ。一つは、憲法改正という国の根幹に関わるテーマであれば明確に選挙の争点に設定した上で、国民の信を問うべきだという「選挙前の準備」。そしてもう一つは、2/3獲得後に憲法改正論議をどう進めていくかという、公明党との「与党内調整」だ。

 公明党のホームページを見ると憲法について「平和・人権・民主の3原則を堅持しつつ、時代の進展に伴い提起されている新たな理念・条文を加えて補強していく『加憲』が最も現実的で妥当な方式と考えます」と記されている。しかし、憲法のどの部分に何を書き加えていくのか、具体的な内容は示されておらず、自民党との協議も全く進んでいない。

 4日にBSフジの番組に出演した公明党の山口那津男代表は、憲法9条の改正を目指す自民党と同じ種類の改憲勢力とみなされることへの抵抗感について、「全くある」と語気を強めた。

 選挙戦後半で連立のパートナーとの違いを強調しなければならなかったところに、「2/3を手にしたら、安倍自民党は改憲に一気に邁進するのではないか」という公明党の懸念が透けて見える。

関連キーワード

関連記事

トピックス

〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン