「例えば芸人はOKで、裁判官がやってはダメな理由はどこにあるのか。“裁判官だから”というのは、答えになっていないですよね。合理的に考えるべきことと、感情的に反応してしまいがちなところを、混同してはいけないと思うんです。それに、私たちの自由を守ってくれる最後の砦は裁判所なんです。多数決ではなく、法に基づいて、何が正しいか判断していく場所。そういった意味で、彼の行動はアンチテーゼになったと思います」(三輪さん)
前出・堀井さんも続ける。
「彼は裁判官として確固たる地位と能力があり、そのうえで、ギリギリどこまでやれるのかを攻めていますよね。裁判官像を破壊したいのかなと感じました」
気持ち悪い、なんか嫌…そんな感情的な言葉で正邪を判断し、人を裁くことが「不謹慎狩り」を生み、社会に閉塞感をもたらしている状況は、本誌で何度も取り上げてきた。このブリーフ問題もまた同じなのか。
◆炎上を気にしない!? ポジティブ父子
自由奔放に見える岡口裁判官だが、妻も子供もいる。反対派からは「妻子もいるのに、なぜこんなことをしたのか」などの意見もあったが、この父にしてこの子あり! かもしれない。
今、新たに注目を集めているのが、岡口裁判官の次男だ。現在医大生の彼は、父親のニュースを受けて、自身のツイッターにこんな胸中を明かした。
《いつか載るとは思ってたが流石だなー! これからもいろんな意味で頑張って欲しい》
あまりの超ポジティブツイートに、フォロワーが急増。さらにその増えたフォロワーに向け、高校時代に作ったという楽曲のミュージックビデオを宣伝。なんとブリーフ姿で登場するといった、たくましさなのだ。
そして当の岡口裁判官もブリーフ姿の背景画面はそのままに、挑戦的なツイートを続けている。
《『男らしさ』といふことの価値には、一種の露出症的なものがあり、他人の賞賛が必要なのである》という三島由紀夫の一節や、ファンからの《とにかく明るい岡口》という発言をリツイートするなど、世間の騒動はどこ吹く風なのだ。
さらには海外で報じられた自身の記事もツイッターにアップ。「日本の裁判官が裁判所に怒られた」という記事を引用しながら「Fit To Be Tied(怒られる)」という英語表現は「tied(縛られる)」を使うことで「縛った写真を出したら怒られて、裁判所が縛るのにちょうどいい人になってしまった」というニュアンスも含まれると解説。大学受験英語のポイントを教える余裕を見せている。
※女性セブン2016年7月28日号