コラム

スーパーの鮮魚売り場店員がFXで1億円を稼ぐまで

スーパーの鮮魚売り場店員がFXで1億円を稼ぐまで

 投資で1億円超えを達成した人を、いつからか「億り人」と呼ぶようになった。ハンドルネーム「魚屋」さん(40代・投資歴12年)もその一人。魚屋さんが、自身の投資遍歴を振り返る。

 * * *
 元々スーパーの鮮魚売り場で働いていたのですが、将来はほかに収入がないと厳しくなるだろうなと思って、2004年からFX(外国為替証拠金取引)を始めました。元手は80万円。スワップ金利狙いのNZドル/円で一時はそれなりの利益も出ていたのですが、南アフリカランド/円で一気に2~3円の円高になり、2~3日でほぼ失ってしまって……。

 このとき妻からこっぴどく叱られ、FX禁止令が出たんです。ただ、それでもFXを続けたかったので、ゲーム機やソフト、大切にしていたマンガを売って、なんとか8万円の資金をつくりました。

 NZドルをレバレッジ1倍で売買していたほか、スワップ金利狙いでドルペッグ通貨をハイレバレッジで売買したりしていました。レバレッジ規制が導入される10年までに2000万円くらいの利益を得ることができたと思います。家を建てたのも、この頃です。

 ちなみにリーマン・ショックでは、売りと買いのポジションを調整しながら売買して、想定外のことにも対応できる力がつきました。もともと「高金利通貨の買い」でやられたので、「だったら売りもやってみよう」と思っていて、うまく立ち回ることができましたね。

 レバレッジ規制後は1年かけて試行錯誤しながら、相場が上がっても下がっても利益が狙えるような仕組みを考えました。これを「くるくるワイド」と呼んでいます。

 簡単に説明すると、まずベースとなる「【1】スポット買い」をします。ただ、これだと相場が上がったときにしか利益にならないので、下がったときに儲かる「【2】売りのトラップトレード」を仕掛けるのと同時に、【1】の買いに対する「【3】ヘッジ売り」もします。「トラップ」とは、「50銭ごとに下がったら買う」とか「20銭ごとに上がったら売る」といった、一定幅での買い上がり/買い下がりなどをして、一定の利益になったら自動で利益確定する発注機能のこと。魚釣りで複数の仕掛けをセットして、かかるのを待つイメージですね。

 基本はこの3本柱で、さらに【2】の利益分で「【4】買い増し」、【3】の利益で「【5】ヘッジトレードの売り増し」も行なっています。これが、上がっても下がっても利益を狙う「くるくるワイド」の基本です。

 トータルの利益が1億円を超えたのは2014年頃でしょうか。ちょうどその頃、スーパーをやめて専業投資家になりました。得た利益の半分は出金して、家や車も買いましたし、これまで110円の牛乳を買っていたのが230円になったり、日常生活の底上げに使っています。

 専業になって毎年目標にしているのは、口座に入っている金額を2倍にすることです。ただし、「儲けすぎるな」ということを心掛けています。儲けたいという「欲」のせいで、大きすぎるポジションを取ったり、ナンピンしたりして破産してしまったり……儲けようと思ったらリスクをとらざるを得なくなります。調子がいいときこそ欲が出てしまうので、「あまり儲けすぎなくてもいいんだ」と心に留めています。

※マネーポスト2016年夏号

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