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もの作り最前線伝える漫画家「日本復活の手応えあり」

 Gショックで有名なカシオ計算機は、時計ベルトの耐久性テストのひとつとしてマネキンの腕に何万回もはめて外すというのがある。人力で付けたり外したりするそうで、これも辛そうだ。

 どの現場でも見ル野さんがすっと入り込めるのは、見ル野さん自身、10年間エンジニアとして働いた経験があるからだ。

「元エンジニアの視点からいうと、究極のもの作りはシンプル・イズ・ザ・ベストなんです。何かのメカを作ろうとしたら、部品を足し算していけばたいてい作れるんです。でもそれだと部品代がかさむし、あとのメンテナンスも大変です。ぱっと見てたいした機構でなくても、それがものすごい試行錯誤の果てにたどり着いたものだとわかったときには感動しますね」

 鈴茂器工(東京都練馬区)は寿司ロボットのトップシェア企業だ。全国の持ち帰り寿司やコンビニ寿司で使われているという。

「なんということはないメカニズムに見えるんですが、ユーザーは機械の素人なので、使いやすいようにボタン類は極力少なくしてある。しかも毎日洗浄するから簡単に分解・組み立てできるようにしてある。よく考えられていると思いました」

 自分のエンジニア時代と比べて、「人はそんなに変わらない印象ですが、会社の雰囲気がだいぶ違う気がします」と見ル野さんはいう。

「華やかなんですよ。リケジョというのか、若い女性が開発にも現場にもたくさんいるし、爪切りの諏訪田製作所(新潟県三条市)は工場もユニフォームも格好良かった。社内結婚が多い会社も珍しくない。油まみれの自分の20代と全然違いますね」

 一方で「弟子」を指導する70代の現役職人がいて、昭和からの伝統もちゃんと引き継いでいる。

「もの作りの衰退とか言われてますけれど、地方に行けば、一般的な知名度は低くてもその分野の名門企業があって、地元大学生の就職人気ナンバーワンだったりします。さらに最近では中国から工場を日本に戻して高級品の製作を始めたところもあります。日本のもの作りがまた復活する手応えは僕の中にあります」

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