芸能

大橋巨泉氏 終活の日々と叶わなかった「金婚式の夢」

大橋巨泉氏の叶わなかった夢とは(HPより)

 テレビ界の巨星堕つ。『11PM』『世界まるごとHOWマッチ』『クイズダービー』など往年の人気番組の司会者・大橋巨泉氏が82歳で亡くなった。

 死因は急性呼吸不全だったが、2005年に胃がんを発症して以来、長く病魔と闘ってきた。2013年には中咽頭がんとなり、その後リンパ節や肺にも転移。度重なる手術や放射線治療にも耐え続けた。全盛期には80キロあった体重は45キロにまで激減していたという。

 その間に巨泉氏は、徐々に「終活」を進めていた。

「かつて生活の拠点にしていたオーストラリアの自宅を昨年10月に手放し、今年6月には22年続いた週刊誌連載も終了した。遺産などについても細かく考えていたようで、孫たちが“Gショックが欲しい”と腕時計をねだると、“そんなの買わなくていい。そのうちお祖父ちゃんのもっといい時計をつけることになるから”と話していたと聞いています」(巨泉氏を知る芸能関係者)

 来たるべき死と向き合い、着々と準備を進めていた巨泉氏。しかし大きな心残りがあったことも窺える。2005年、本誌のインタビューで「今後の目標」を問われ、こう語っていた。

〈夢はありますよ。あと14年、85歳まで生きれば金婚式がある。俺はお祭り好きだからね。古希の時のプレゼントの裏には『喜寿待ち』って書いたんだよ。でも、最大のイベントは金婚式だと思っている。死んだら死んだで仕方がないけれど、やっぱり85歳までは生きたいよね〉(2005年7月29日号)

 金婚式まであと3年。愛妻家として知られた巨泉氏の無念はいかばかりだっただろうか。妻・寿々子さんは、巨泉氏の死に際し、コメントを出した(一部抜粋)。

〈約11年間の闘病生活を勇敢に戦って来ました。特に4月からの3ヶ月間は死を覚悟し、全てを受け入れ、一言の文句も言わず、痛みも訴えずに、じっと我慢をしてくれました〉

〈どうぞ大橋巨泉の闘病生活に“アッパレ!”をあげて下さい〉

 皆が憧れる「大人の男」として昭和の華やかなテレビ界を牽引した巨泉氏は、最後までその風格を失わなかった。

※週刊ポスト2016年8月5日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO
《国分太一コンプラ違反で解散のTOKIO》山田美保子さんが31年間の活動を振り返る「語り尽くせぬ思い出と感謝がありました」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
モンゴルを訪問される予定の雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、「灼熱のモンゴル8日間」断行のご覚悟 主治医とともに18年ぶりの雪辱、現地では角界のヒーローたちがお出迎えか 
女性セブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン