「グレープフルーツにはポリフェノールが多く含まれていますが、これはカルシウム拮抗薬の分解を遅らせ、結果として薬が長く効きすぎてしまうのです。グレープフルーツジュースも、避けてください」(渡辺さん)

 指摘すべきはその副作用ではなく、どのタイプの高血圧の薬をどのようにのむか医師としっかり相談して慎重に決める必要があるということだ。

「どの降圧薬もまず少量から始め、効きが悪かった場合に量を増やしていくのが基本です。また、夏は暑く、血管が開き、血圧が下がりやすい。すると、薬の量を減らせる可能性があります。ただし、それについても必ず医師と相談してから判断してください。中には自分で血圧を測り、自己判断で薬を減らす人がいますが、それはあまりにも危険です」(池袋大谷クリニック院長の大谷義夫さん)

 患者の8割が女性といわれる骨粗鬆症は、年齢を重ねると悩まされる人が多い病気だ。その治療に使われるのが、ファルテオ。皮下に注射して骨形成をサポートする薬だ。“効果がない”という指摘があるが、医薬情報研究所エス・アイ・シーの薬剤師・堀美智子さんはこう語る。

「ファルテオは、他の薬がのめなかったり何度も圧迫骨折を起こしてしまう人には効果的な薬です。ただ、骨からカルシウムを流出させるため、一時的に高カルシウム症を引き起こす可能性があります。吐き気、嘔吐、便秘、筋力低下などの症状が出てきたら注意が必要です」

 前出の秋津さんは、ファルテオに頼る前にできることがあると指摘する。

「副作用が強い薬なので、治療を始めたばかりの人はまずはビタミンDやカルシウムなど、サプリメントの延長で副作用の少ない薬から始めるのがいいでしょう」

※女性セブン2016年8月4日号

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