温泉での音楽イベントでDJをつとめるNachuさん
3年前に私が初めてアナログレコード制作に関わったときは、レコードのプレス工場が日本で一か所しかないため、時間がかかり価格も高騰していました。いまも日本のプレス工場はひとつしかないのですが、最近では、海外にプレスを発注するのも主流になってきました。その場合、価格は下がるものの、時間はかかります。そして、安いと言っても、CDのプレス料金と比べると約2倍の料金がかかります。CDのほうがはるかに、手間も時間はぶけて、コストもかからないのが現状です。しかし、手間と費用のかかるアナログレコードをリリースできることが、ブランドイメージの向上に繋がっています。
アイドルがアナログレコードを次々にリリースしたことで、クラブDJの世界にも変化があらわれました。アイドルのレコードのみでプレイするDJの登場です。コレクションと実用を兼ねてアイドルのレコードを購入しているのが、アイドル好きで、且つDJとして活動している人達です。
もともとアイドルの楽曲を中心にプレイしていたDJ Nachu(なちゅ)さんは、近年のレコードブームによって、CDとレコードの両方を使用するDJになりました。時にアイドルのレコードのみでプレイすることもあるNachuさんは、その魅力の強さをこう話しています。
「古い機械から新しい音楽が流れる矛盾にわくわくしました。アイドルのレコードは全部集めたいので、買いすぎないように気を付けていますが、気を抜くと数万円費やす月もあります」
世代的にレコードに触れたことのなかった彼女ですが、一気にレコードの魅力に惹かれ、アイドルのレコードを買い集めるようになりました。