国内

作家・鈴木マキコ「日本死ね!!!」の言葉の強さに共感

主婦作家の鈴木マキコさんは「日本死ね」に共感したという

 夫とうまくいかないカトリック系短大を卒業した奥さまは「きれいごとしか知らないシスターが結婚を教えるなんてそもそも間違っている」と心で吠え、ガミガミうるさいと夫からとがめられた母親は「学校からあれこれ言われて、すいませんって言うのは、わたしだよ」とかみつく。

 そうだよ、そうだった! 「そうそう」と「あるある」が交錯する小説『逆襲、にっぽんの明るい奥さま』(小学館)を書いた主婦作家・夏石鈴子(改め、鈴木マキコ)さん(53才)は、

「心の中は自由ですが、だからといって、口に出しちゃおしまいですからね」

 とクギを刺し、そして続ける。

「そういう思いを引き受けようと思って書きました。日本中の奥さまの気持ちを成仏させなければって(笑い)」

 そして話題は少し前の、「保育園落ちた、日本死ね!!!」とネットに書き込んだ母親のことに及んだ。

「確かに“日本死ね”っていう言葉は汚いかもしれない。けれど、“保育園に落ちちゃったんです、どうしましょう”って書いたところで、誰も注目してくれませんよ。怒りとか悲しみって、汚い言葉でしか語れないことが多いのかもしれません。そういう苦しみや怒りを、私はこれからも、はっきり文字にしていきたいんです」

 だからこそ、奥さまにはぜひ読んでもらいたい。そして夫たちにも、ぜひとも読んでもらいたい、とも言う。

「これを読めばきっと、“うちの奥さんはいつもなんであんなに不機嫌なのか?”という謎が解けると思います(笑い)」

 確かに、夫の通勤バッグにしのばせておくのがいい気がする。だって、奥さまの掛け値なしの本音が詰まっているのだから。

「私だって小説を書いたからって、魔法がかかったみたいにツルッと、いい世の中になるとは思いません。でも、“じゃあ、何で小説を書くの?”って聞かれたら、現実に立ち向かう人の力になるといいなって、祈りながら書いてるんです」

 書く手段を持たない圧倒的多数の主婦たちに代わって、鈴木マキコは今日も書いて書いて書きまくる。

※女性セブン2016年8月11日号

関連キーワード

トピックス

ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン