「日本の子供たちは学力レベルは低くないのですが、自己評価が低い。それは日本の教育が画一的なため、勉強ができる子供は上には上がいるという思いを募らせ、勉強ができない子供たちは劣等感が非常に大きくなっていく。

 そんななか東成瀬の小学校が行っている教育法は、個性を尊重しているということを、学校側がしっかり打ち出しているので、子供たちひとりひとりが、“認められている”という気持ちになって、自信が芽生え、それがやる気につながっているのでしょう」

 東成瀬で実践されている教育方法は中学を卒業するまで一貫して行われる。そのため中学校も全国学力テストでトップ常連となっている。東成瀬中学校の山崎守校長が言う。

「学年が高くなるにつれ、自分が社会に認められているという意識が上がっていきます。それはごく当たり前のことなんですが、そんななかでもここの学校の生徒たちは自己有用感が非常に高い。ですから中学生も学習意欲や生きていくエネルギーが非常に高いんです。他から認められることが大きな自信へとつながっているからだと思います」

 そういった子供の自尊感情は、もちろん家庭では家族がまず伸ばすことも非常に重要だ。

「いくら学校が個性を尊重してもほかならぬ親が誰かと比較して怒ってばかりいては、子供は変わらないはずです。この学校のように、子供との対話を通して物事に対する理解を深める手助けをする。それが親の役割かもしれません」(岩波さん)

※女性セブン2016年8月11日号

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